Books and Cartoon

洋書とカートゥーン、あといろいろ。

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01月25日
12:18

Savvy
author Ingrid Law 読了

Beaumont 一家には秘密がある。13歳になると、普通の人にはない不思議な力がそなわるのだった。長女の Mibs が13歳の誕生日を迎えようとしていたある日、父が事故にあい、意識不明のまま隣の州の病院に収容される。母と長男の Rocket は父の看護に。両親のいない誕生日、mibs は自分の savvy が眠っているものを起こす力であることを知り、不本意ながら教会で開かれた誕生パーティーを抜け出して、意識の戻らない父のために、病院のある街をめざすのだったが・・・。

いや、面白かった。
自分でもまだはっきりとはつかめない不思議な力を頼りに父のために行動を起こす Mibs (Mississippi)。だが行き当たりばったりの冒険は思い通りには運ばない。病院のある街から、教会に聖書を売りにきたピンクのバスにだまって乗り込んだのはいいものの、配達のために逆方向に走り出すバス。道ずれになった兄の Fish 。Mibs に好意的な教会の子供 Will とちょっとばかり不良なその姉 Bobbie。いつの間にかバスにいた無口な弟の Samson 。このキャラクターたちが絶妙。また、思わぬ客を運ぶことになったバスの運転手、Lester に、車の故障で困っていたところをバスに拾われるウェイトレスの Lill。この2人がまたいい。この二人の不完全な大人たちが、Mibs はもちろん子供たちに大きな影響を与えることに。

Savvy(本来の意味はよく精通した実用的な知識、あるいは、よく知ること。読んでいくとああそういうことなのかと納得するいいタイトルです。) とはいわゆる超能力だけど、いつも思うのだが、欧米の小説はこういう「能力」や「魔法」の組み立てが本当にうまい。
続編も出ているので、これも楽しみ。

ちなみにこの作品は2009年のニューベリー・オナー作品。ニューベリー賞にノミネートされた候補作です。同年のニューベリー賞はNiel Gaiman「The Graveyard book」でした。

12月17日
03:21

Jane Blonde Twice The Spylet
author Jill Marshall 読了

太陽王との戦いの後、いつもの日常を取り戻した Janey たちに、またも父、今の名は Abe Rownigan から、意味不明の警告のメッセージが届く。そして、Janey の前に現れたのは彼女自身、実は、Janey の双子の妹 Chloe だった。Chloe を追って、Janey は、地球の裏側オーストラリアにある、父 Abeが経営する農場へと向かう。そこで Abe は、Janey に、スパイ組織から引退し、農場を営みながら家族がふたたび共に暮すという計画を明かすのだった。Abe の遺伝子操作技術が生み出したまったく新しい毛並みをもつ品種の羊を大量に飼育するこの農場でなら、家族そろって暮らしていけるはず。しかし、Janey の思いもよらないところで、邪悪な計画が進行していたのだった。

ジェーン・ブロンドの第3巻は、いつものハイテンポのノンストップ・アクションから趣を少々変えて、ほとんどのシーンが、janey が訪れた父 Abu のオーストラリアの農場で進行する。特に前半、農場で父と、これまで知らなかった双子の妹 Chloe との生活をじっくり描くのだが、もちろんいつものジェーン・ブロンドらしく、この部分に読者のミスリーディングを誘う仕掛けと伏線がちゃんと用意されている。冒頭からの伏線もきちんと引っ張って、クライマックスの最大の危機に Janey が立ち向かう。

12月02日
03:51

R.L. Stine's NIghtmare Hour
author R.L. Stine 読了

「Pumpkin head」
この街のハロウィーンはとってもつまらない。だって8時にはみんな家に戻って明かりを消してしまうんだ。それというのもここ何年か、ハロウィーンの夜に子供が行方不明になってしまうから。それでも僕たちはカボチャの灯篭を作るため、カボチャ畑にカボチャを買いに出かけたのだけれど・・・。
「Alien Candy」
僕は学校の秘密倶楽部 Alien Club の部長に選ばれた。クールなメンバーたちとの会合を開いたその時、僕らの身にとんでもないことが・・・。
「The Most Evil Sorcerer」
Ned は、この国を魔法の力で牛耳っている魔法使い Margoline の弟子。不出来な弟子を、邪悪な魔法使い Margoline は下働きとしてこき使う毎日。しかし、ある日 Margoline の宿敵 Shamandra が挑戦状を送ってきた。魔法使い同士の戦いに巻き込まれた Ned は・・・。
他全10篇のショート・ホラー・ストーリーが収録された短編集。

アメリカのキッズ専門チャンネル、hab で放映されている「R.L. Stine's Hauntin Hour」の R.L.Stine のホラー短編集。いずれも少年少女を主人公にした、無駄のないストーリー、テンポのいい展開に、ちょとひねった怖いラスト。ホラーなのでいずれもろくな終わり方はしていません。さすがだ。子供向けの怪談とはいえ手は抜いてません。怪奇小説ファンの大人には展開が読めてしまうものの、オチはいずれも納得の出来。ホラー初心者の子供向けとしてはピッタリかも。怪談の様々なパターンをちりばめたなかなかの好短編集ではあるまいか。

11月23日
09:15

Dear Dumb Diary #08 It's not my fault I know everything
author Jim Benton 読了

何にでも適用可ダメ認定書付き。
Isabella が持ってきた雑誌の選択問題。あたしは選択問題の天才。今度の授業の課題は、日記をつけること。わかってる、浮気をするわけじゃあないよ、愛しのダメ日記。課題には偽日記をつけるから。だいいち、後で集めて記述者がわからないようにしてから、みんなで読むことになるんだから。正直な気持ちなんかつづってられるわけない。絵は左手で描いてやる。Angeline の飼い犬 Stickybuns とあたしの Stinker の間に生まれた4匹の子犬たち。Isabella はそのなかの一匹が欲しくてたまらない。Angeline に呼ばれて子犬たちに名前をつけたあたしの髪に彼女が手を入れて、それはもう美しく絹のように輝く最高の髪に。美しい。あたしの髪。最高。しかし、その実、Angeline と Isabella にはあたしの知らない関係が・・・。

毎度、すこしばかりあさっての方向を向いて生きている中学生 Jamie Kelly のすっとこ日記8巻目。今月は無事 Stinker と Stickybuns の間に生まれた子犬たちを巡っての騒動に課題の日記がからんで Jamie Isabella Angeline の間が一歩前進(?)。犬と髪と日記が意外とストレートにつながっていく展開で、Isabella も子犬に気を取られてか意外とおとなしめ。ラストも浪花節でハッピーエンド。ある意味、意外な展開だ。

11月08日
07:11

Dear Dumb Diary #07 Never Understimate Your Dumbness
author Jim Benton 読了

月末にはクラスのダンスパーティー。授業の課題はジオラマ製作。そして、Carol おばさんと Devon 副校長の結婚の日が近づいてきた。あたしと Isabella に Angeline はブライドメイドをおおせつかったが、しかし問題はブライドメイドが着るフリルに花柄ひらひらきらきらの乙女チックなダサいお人形さんドレス。それにもまして問題なのは Carol おばさんが選んだ木靴。これじゃあ足に血豆必至。一方、食い意地のはった Stinker はスパンコールのビンの中身を飲み込んでふらふら。獣医につれていくと、行き場のない犬を引き取る里親になろうとやってきた Angeline と遭遇。木靴の件は結婚式の打ち合わせに我が家にやってきた Isabella の策略、履いたまま階段から転がり落ちる、で無事解決したものの、ドレスについては Isabella が気に入ってしまっている様子。おのれ、裏切り者めと、あたしは階段から Isabella を突き落とす。庭で拾ったイヤリングが大変な事態を巻き起こし、Isabella は Stinker をつれて散歩に出かける。いったいどこへ何しに?このまま無事今月のりきれるのだろうか。

例によってしっちゃかな日常を送る中学生 Jamie のすっとこ日記第7巻。いよいよもって策略家 Isabella の本領発揮。邪悪な Angeline (と勝手に Jamie が思っている)のいい人っぷりも絶好調。またまた一方的な思い込みと適当さから問題の深みにはまる Jamie の明日はどっちだ。ああ、そっちか。

11月06日
05:53

Dear Dumb Dialy #6 The Problem with here is that it's where i'm from.
author Jim Benton 読了

今月末に、恒例の人気投票。これまでの人気カテゴリー別の結果としては「最も知的」なのは、我がBFF(ベスト・フレンド・フォーエバー)の Isabella 。「最も芸術的」なのは Jamie 、つまりあたし。そして、「最も愛らしい」のは Angeline 。あたしたちは自分の能力を示すのにしゃかりきだけれど、Angeline の「愛らしさ」は、オートマッチク。ちっ。しかし、美術の授業の課題であたしは Angeline と組むことに。一方、あたしは自分の価値を高めようと、外国語風アクセントに挑戦中。でもうちのダメ犬 Stinker にはあたしのスペイン語は通じない。となりの中学からやってきた Colette は黒髪の美少女。Colette ってつまりフランスの名前じゃないの。異国風ってこういうことよ。美術の課題の「落書き調査」で、休みの日に学校の落書きを調べて回っていたあたしと Angeline は、男子トイレで「Jamie Kelly に、最も愛らしい子の投票を」と書いてあるのを発見。こ、こ、これは一体誰が。婚約中の Carol おばさんと、Devon副校長(で、Angeline のおじさん)の怒鳴りあいの口喧嘩。二人の仲はどうなってるの?そして人気投票であたしが勝ち得た意外なカテゴリーは?

お騒がせ中学生 Jamie Kelly のすっとこ日記第6巻。邪悪な Angeline (と勝手に Jamie が思っている)と親戚になりそうな Jamie 。しかし、影の主役は Isabella 。ますます彼女の企み好きで邪悪な性格があきらかになっていくのだった。Colette の意外な真実と Angeline の人知れぬ苦悩?も明らかになるエンディングはなかなか。そして着々と、Carol おばさんと Devon 副校長の結婚式の日が近づいてくるのであった。

10月31日
00:36

Ramona and Her Father
authore Beverly Cleary 読了

Ranoma が2年生に進級した秋のある日、Quimby家にとっては不幸な知らせをお父さんが持って帰った。勤めていた会社が買収され、お父さんは人員削減のため失業してしまったのだ。新しい仕事が見つかるまでお母さんはパートからフルタイムの仕事を見つけて働き、家計を切り詰めるため家族それぞれ、猫のPicky-pickyも、我慢することに。学校から帰ると家にはお父さんがいるという生活がはじまる。そんなある日Beezus のひとことから、Ramnona はお父さんの身体を案じ禁煙させようとあれこれ頭をひねるのだが、なかなか上手くいかない。Ramona はお父さんにタバコを止めさせることができるだろうか。そして、お父さんは何時新しい仕事を見つけることができるだろうか。

いきなりの一家の大黒柱の失業というシビアな展開。他人事じゃありませんね(ちなみに Ramona のシリーズは1970年代の作品)。とはいえ、いままでは休みの日か夜でないと顔をあわさなかった父が何時でも家にいるとう不思議な状況に、いままでとはまたちがう親子の関係を感じる Ramona 。2年生になってこれまでよりずっと周りのことを考えるようになった Ramona 。これまでとは違う家族が大変な状況にあって、家族の絆をあらためて知ることになるが、その描写も、はたかた見ればほんの些細なことなのがとても上手い。ちいさな出来事でもそれぞれにとって大きな意味を持つ。それにしてもお父さんもいい人だ。タバコはやめたほうがいいと思うけどね。

10月26日
22:35

Ruby Rogers Who Are You Looking At?
author Sue Limb 読了

Ruby のクラスに来た転入生 Leo は、かっこいい男の子。Yasumin は、どうやら Leo が気になってしょうがないらしい。Yasumin の提案で Ruby も含めて仲良し仲間で秘密サークルを結成するものの、第一の目標を「 Leo の気を引くこと」に決められてしまう。「男女の仲」なんてまるで興味のない Ruby にとっては Yasumin にしてやられたようなもの。一方クラスでは、将来なりたいものを各自発表するが、Ruby にはなにも思いつかない。一体将来なりたい自分ってなんだろう。古城と植物園への遠足の日。13世紀に建てられた中世の城に感銘をうける Ruby だが、Leo のことばかり話す Yasumin たちにうんざり。グループ行動の規則をやぶって、一人で植物園の奥へと行ってしまう。

Ruby Rogers シリーズ最終巻。周りが自分の思っていることや、意識していなくてもそうだろうと考えていることとちょっとずつ違っていくことに対する苛立ちや、そんなことわかるはずもない「将来」に対する気持ちなど、ついに Ruby も、「大人になる」ということについて考えるときが来た。それでもまだ Ruby は Ruby 。いつものように真っ直ぐに思い込んでしまってそのぶん周りが見えていない。でも周りの人には Ruby に見えていないものが見えている。そんなことに気がつきながら、少しづつ大人になっていく Ruby 。最終回らしい、いいエンディング。これで Ruby ともお別れだけど、きっと彼女はまだまだ騒動にであうんだろうな。

10月23日
00:04

Ruby Rogers Get Me Out of Here!
author Sue Limb 読了

嵐のような風が吹き荒れた翌日。Ruby は、親友 Yasumin の誕生日に贈るプレゼントに頭を悩ませる。プレゼントを買うために貯めておくはずのおこづかいを使ってしまっていた Ruby が思いついたのは、Yasumin に手作りのバースデーカードを贈ること。出来上がったのは Yasumin を中心にした絵と写真のコラージュで、カードという以上の出来栄え。誕生日パーティーを無事に乗り切った Ruby 。その翌日、Yasumin がプレゼントにもらった「歩く入れ歯」のおもちゃがあまりにおもしろいので、家族に見せようと借りて帰った Ruby は、転んだ拍子に「歩く入れ歯」を取り落とし、さらにご丁寧にその上に倒れこんで壊してしまう。なんとか直らないものかと兄の Joe に頼んでみるが、Joe もお手上げの壊れ方。翌日、学校で Yasumin お気に入りの「歩く入れ歯」を早速壊してしまったことをどうしても Yasumin に言えない Ruby。さらにその日から Yasumin の態度が妙によそよそしく、とうとう喧嘩までしてしまう。もしかしたら、Yasumin は、「歩く入れ歯」を壊してしまったことを超能力で知っているのでは、それで怒っているにちがいない。このまま二人の関係はばらばらになってしまうのか。Ruby と Yasumin の運命は。

Ruby と親友 Yasumin の間がまたまたこじれてしまう。友達の大切なものを壊してしまうという、誰にでもありそうな危機を Ruby はどう乗り切るのか。何度こじれてもまた元通りになるのが親友の証ですね。もっとも Ruby はなんとかしようとあれこれ悩んだりどたばたあがくわけだけれども、これも毎度のこと。気は優しくてお人好し、ちょっと気弱だけれど半分はいつも前向きな Ruby の奮闘が楽しいわけです。兄の Joe と その恋人 Tiffany の間もこじれたままのようで、これはさすがに Ruby には荷の重い問題。Holly と仲良くなって欲しいと Ruby は思うものの、こればかりはどうにもならない。こちらの行方も気になるところ。

10月20日
21:22

The Hanging Hill
author Chris Grabentein 読了。

Zack は、継母 Judy の本「Curiosity Cat」が原作のミュージカルを上演することになった劇場 Hanging Hill Theater に Judy と共にやってきた。そこで Zack は出演者としてやってきた彼と同年代のハリウッドの映画スターの少女 Meghan と、TVドラマに出演していた少年 Derek に会う。しかし、劇場には歴史に埋もれていた忌まわしい秘密があったのだ。そして劇を演出する監督の Grimes は、自らの運命に従うべく、ある恐ろしい計画を持っていた。再び Zack に死の危険が降りかかる。

前作「Crossroad」で、辛くも悪霊を退けた Zack。幽霊を見ることの出来る彼は hanging hill への道すがら、またも冷酷無残な殺人者の霊に出会うところから始まる、ノンストップ・ホラー。死霊復活や邪悪な悪霊に、呪われた Hanging Hill にとらわれた幽霊たち。そして、Zack の抱える死んだ母への思い。今回も次々と切り替わる短いシーンの積み重ねで、次第に明らかになっていく邪悪な計画と Hanging Hill の謎が終末のクライマックスに一気に集約していく。そのため、前作のように途中に起きる盛り上がりのようなものはなく、ただひとつのクライマックスへ向けで次第に緊張が高まっていくというプロットなのだが、それで中盤だれることもない。ストーリーの内容的にはどちらかというと前作のほうが好みだけれど、今回も十分楽しませてもらいました。たぶんこの「hanging hill」は「crossroad」に比べて、より「児童向け」を意識して書かれたんじゃなかろうか。Meghan もいいけど、Hanging Hill の幽霊たちが、これがまたなかなかいいんじゃないですか。

10月06日
09:02

The Great Blue Yonder
author Alex Shearer 読了

Harry は、「向こう側の世界」にいた。姉の Eggy と口げんかをして家を出た後、オートバイの事故で死んでしまったのだ。「向こう側の世界」では、多くの死んだ人々が永遠の落日の向こう、 The Great Blue Yonder へ行く時を待っていた。死者はそれぞれ、その時がくれば The Great Blue Yonder へ行く。しかし Harry には、まだやり残したことがあった。やがて「向こう側の世界」で、100年も前に死んだ Arther と出会う。Harry は Arther に誘われてこちら側の世界へともどってくる。やり残したことをすませようとする Harry だったが・・・。

ある日突然、死んでしまう Harry 。幽霊として、彼の生きた世界へ戻ってくるものの、彼のいなくなった世界に生きる人々、彼の友人、家族を見て Harry が知る生きることの意味。ほとんど意識することなく生きている毎日が人にとってどれほどの価値をもっているものなのかを、死者の視点から語るというのが上手い。非常に丁寧に Harry の行動と心情を追っていくことで、人が生きている普通の日々のいいことも悪いことも多くの意味を考えさせる。そのことが本題なので、お話そのものはあってないようなもの。エンディングは流れを締めくくるためのおまけなので、余り気にしない。主人公と同じティーンエイジャーの毎日をふと見直してみるということで少年少女にこそお勧めかも。あと、人生こんなもの、と思っている大人にもいいかもしれない。

09月09日
00:18

If You're Reading This, It's Too Late
author Pseudonymous Bosch 読了

秘密結社 Midnight Sun の野望を挫いた Cass(仮名)とMax-Earnest(仮名)。Cass(仮名)は、不思議な夢に悩まされていた。そんな Cass と Max-Earnest の前に再び現れる Midnight Sun の指導者 Dr.Lと Ms. Mouvise。Cass たちが彼らの手から図らずも手に入れた Sound Prisme が今度も二人を危険な謎へと導いてゆく。Midnight Sun が探し求めるホムンクルスとは何者なのか。そのホムンクルスが隠しているという錬金術の秘密とは。

Cassandora(仮名)とMax-Earnest(仮名)の冒険を描く The Secret Series の Book2。今度は錬金術の秘法から作られた生命ホムンクルスを巡って、Midnight Sun との戦いが展開する。永遠の生命を手に入れ世界制覇を目指す Midnight Sun に対抗する The Terces Society のメンバーになった Cass と Max-Earnest。新しい仲間も加わり、冒険はさらに危険度を増していく。そして、Cass 自信にも思いもよらぬ真実があきらかになっていく。第1巻よりさらに深みを増すストーリーに錬金術の怪しい秘密がいい感じ。今回も大胆なストーリー展開にトリッキーな文章がそこここで効いてます。

08月20日
20:01

Earwig and The Witch
author Diana Wynne Jones 読了

Earwig は、赤ん坊の時一枚の置手紙と共に St.Morwald's Home に預けられた孤児。彼女の望みは大の親友 Custerd といっしょに、いつまでもこの孤児院で暮らすこと。里親探しの日、孤児院には子供を引き取りたい里親候補の大人たちがやってきて子供たちを物色するのだが、Earwig はどうすれば選ばれないかを心得ていた。しかしその日やってきたおかしな2人に Earwig は里子に選ばれ、孤児院のある通りのすぐ先の家に引き取とられていってしまう。背の高い角のように尖った耳の男 Mandrake と背の低い右目と左目の色が違う老婆 Bella Yoga 。二人に連れられてやってきた小さな家はしかし、出口のない不思議な家だった。そう、Bella Yoga は魔法の薬と呪文を使う魔女で、Earwig を使用人としてこき使うつもりだったのだ。しかし、Earwig はおとなしく言いなりになるような女の子じゃあない。彼女には彼女の考えがあったのだった。

先ごろ惜しくも亡くなった英国ファンタジー界の大御所、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの児童向けファンタジー。ダイアナ・ウィン・ジョーンは多くの児童向けファンタジーを書いていますが、この作品はそのなかでも低年齢層向き。ストーリーは余計な部分を徹底的に削り落とした必要最低限のエッセンスだけで構成されていながら、それでも、主人公 Earwig や、魔女 Bella Yoga 、正体不明の悪魔 Mandrake など、、十分奇妙なキャラクターを描き出しているのはさすが。いつもの長編で見られるキャラクターの視点を変えることでのどんでん返しこそないものの、Earwig の行動が意外な結果を迎える終盤の展開もさすが。魔女と対決する少女のお供といえば猫ですが、ここでも猫が重要なキャラクターで登場。そしてなにより、主人公の、たいしてかわいくもなく歯並びが悪くてわりと自己中心的だけど、何事にも平気で前向きに取り組む Earwig がいい。そして、エンディングもなかなか素敵な終わり方でした。

08月18日
21:39

The Book of Elsewhere book1 The Shadow
author Jacqueline West 読了

リンデン通りの古い石造りの家に住む身寄りのない老婆がなくなり、空き家となったその家に越してきたのは Dunwood 一家。両親は大学で数学を教える数学者。その一人娘は、しかし、勉強は苦手。普段は注意力も散漫で、何をしてもへまばかりしてしまう10歳の Olive 。いままでずっとアパート住まいだった Olive は、古くてこれまでの住まいより遥かに広い一軒家のその家になにか不思議なものを感じる。家の中を一人探検する Olive は古い眼鏡を見つける。ある日、家中に飾ってある多くの絵の中に奇妙なものを見つけた Olive は、もっとよく見ようと古い眼鏡で絵を見ると、その絵が現実のものであるかのように動き始めるのだった。それどころか、Olive は額縁を越えて、絵の中に踏み込むことさえできるのだった。そして彼女の前に現れた猫は彼女の身に迫ろうとしている危険を知らせるのだが、Olive は忠告をきかず家の古い秘密を探ろうとし、やがてとんでもない危険と戦う羽目になるのだった。

家族で越してきた新しい家とその秘密。それを知る猫。一人危険を冒して、闇と戦う女の子、という設定は Coraline に通じるものがありますね。しかしもちろん、Coraline とはまったく違うお話。勉強もダメ、人のいうことは聞かない、自分の部屋も掃除できない、注意力散漫で少々かんしゃくもち、自慢できるのは好奇心だけ、はっきりいって並み以下の主人公、Olive もそれでも魅力あるキャラクターになっているところがすごい。Olive と関わる3匹の猫もそれぞれの個性がいい。家中の絵の謎、家そのものにまつわる謎、中盤過ぎでのどんでん返しから一気にクライマックスの戦いと見せ場が続くノンストップホラー。面白かった。買ったときは、またbook1(第1巻で続き物)か~と、読もうかどうしようかと思ったんですが、今は第2巻の発売を楽しみに待っています。

07月25日
23:59

Ivy + Bean and The Ghost That Had To Go
author Anny Barrows

休み時間に体操倶楽部の友達と校庭にいるとき、Ivy は、2年生用のトイレから不思議な煙がたなびくのを見た。あれは幽霊の印。学校のトイレには幽霊がいる。あっというまに噂は2年生の間に広まってしまい、Ivy は先生に2度と幽霊の話はしないようにと注意されてしまう。でも、本当に幽霊がいるのに。Ivy と Bean はトイレの幽霊の除霊をしようと試みるのだが。

すっかり仲良しになった Ivy と Bean のおはなし第2巻。幽霊を見た Ivy と Ivy を信じる Bean のコンビが学校の幽霊のお払いにチャレンジ。賢く物知りでおとなしそうに見えて、自説は曲げない Ivy と、行動派で大雑把だけれど友情をなにより重んじる Bean の名コンビっぷりが楽しめる。2人の学校の友達や先生も登場して、Ivy と Bean の世界が広がっていくのも楽しい。

07月25日
02:10

あまりほっておくと内容を忘れてしまうので、書いておかないと。

Jane Blende Spies Trouble
author Jill Marshall 読了。

死んだと思われていた父が残した、驚異的な技術を巡っての陰謀にまきこまれ、図らずも S.P.I. の spylet となった Janey 。
今度は太陽王と名乗る謎の科学者がその技術を狙って、Janey の指導係 SPI:KE の G-mama の猫、Trouble を襲う。そしてJaney たちも不死身のネズミたちの襲撃を受けるのだった。
一方、元S.P.I. のエージェントで、今は身の安全のためエージェント時代のすべての記憶を消し去った Janey の母 Jean は、いいひとすぎて逆になんだか信用のおけない新しいビジネス・パートナーと仕事を始めることに。さらに、Janey の通う学校にやってきたフランスからの転校生の女の子は、Janey と同じ spylet で同級生の Alfie に猛アタック。
内に外に問題だらけの Janey は果たして、 太陽王の野望を挫くことが出来るのか。

スーパー・スパイレット Jane Blonde こと、普段は冴えない女の子Janey Brown 。前巻では、死んだと思っていた父と再会し、再び別れて暮らすことになった Janey 。さらにアクティブになった Janey の活躍やいかに。彼女の前に現れた謎の太陽王とは。今度も様々なSFスパイ・ガジェット満載のノンストップ・アクション。今回の冒頭に続く前巻のラストシーンが意外な伏線になっていたり、ネズミたちの不死の力の秘密など、アイディアもけっこういけてる。様々な伏線が終盤一気にまとまっていく展開はなかなかでした。しかし、太陽王の正体が、意外すぎる~。

05月18日
23:38

School of Fear
author Gitty Danshvari 読了

みんな何かを怖れてる。イギリスのノーブルな少女 Madeleine は蜘蛛はもちろん、虫という虫が怖い。ニューヨークの大家族の末息子 Theo の恐怖は不慮の事故。いつ何時大切な両親を初め愛する家族を事故が襲うかわからないのが心配でいてもたってももいられない。ロード・アイランドにすむすこし皮肉屋の Lulu は窓もないような狭いところには死んでも入れない。フロリダに住んでいるどんなスポーツでも平気でこなす学校の期待の星 Garrison は、ただひとつ、水にだけは入れない。
ちょっとばかり人より強い恐怖症を持つ、そんな4人がその恐怖症を克服するために夏休みを利用して入ることになったのが、School of Fear (恐怖の学校)。そこはアメリカ東海岸の片田舎、森に囲まれた山の上に忽然とそびえる古城。年齢不詳の校長、Mrs. Willington のもと、恐怖を克服するための奇妙な授業が4人を待っていた。しか、突然現れた招かれざる侵入者によって、4人は大変な事態に巻き込まれてしまうことに・・・。

誰にでも怖いものがある。でも行き過ぎは家族も他人も巻き込んで困ったことになる。そんな4人の子供たちのひと夏の冒険と成長、といっていいのかどうか。4人ともかなりいい性格で、見事な恐怖症カルテットのハーモニーを奏でてくれる。なかでも Theo と Lulu はいい。

それはそうと、世の中にはいろんな恐怖症があるものですね。各章にひとつづつ恐怖症が紹介されているのだけれど、中でも驚愕なのが、Hippopotpmonstrosesquippedaliophobia 。ヒポポトモンストロセスクイッペダリオフォビア。日本語で書いても長い。なんだこれは。もちろん本当にある恐怖症。なんの恐怖症なのか興味のある方はお調べあれ。こんな矛盾した名前をつけるなんて、精神科学会も洒落がきいてるなあ。

04月30日
17:55

Ivy + Bean book1
author Annie Barrows 読了

Bean は、活発で身体を動かすのが大好き、勉強や退屈なことが嫌いな女の子。通りの向かいに越してきた Ivy は、綺麗な服を着て長い赤い髪を髪留めでまとめ、いつも本ばかり読んでいるような子。だから Bean は Ivy のことが好きじゃない。ある日姉の Nancy にイタズラをしようとした Bean 。怒った Nancy が母に言いつけようとしたところを Ivy に助けられる。いつもいい子でいると思っていた Ivy に連れられて彼女の部屋にはいってみると、 Ivy にはちょっと意外な秘密があったのだった。そして Bean は Ivy の力を借りて Nancy に仕返ししようとするのだが・・・。

快活で悪戯も平気、友達も多い Bean と、いつも一人で本ばかり読んでいる Ivy。正反対の二人が秘密を分け合い、友達になってゆく。外からだけではわからない Ivy の意外な秘密と性格がとてもキュート。やんちゃだけれど心の優しい Bean といいコンビ。すこしレトロな雰囲気のイラストも素敵。これは面白かった。ぜひ続きも読んでみたい。

04月30日
08:47

Dear Dumb Diary #05 Can Adults Become Human?
author Jim Benton 読了

社会科の先生は笑わない。暴力では問題の解決にならない、でもイザベラは別。社会科で人の行動と動物の行動の類似性についての宿題。でも大人の行動は奇妙極まりなくなくない?イザベラはあたしの新しい靴が気になってしょうがないのをかくそうとしているのがきになってしょうがないあたしはきになってしょうがないのを隠してる。大好きなキャロルおばさんが我が家を訪問。ところがおばさんはあたしの学校の事務員に就職。邪悪なアンジェリンが突然あたしを幸せ殺そう(?)とするし、給食のおばさんブラントフォードさんはキャロルおばさんを幸せ殺しかけ。イザベラは一人で先生たちに反乱を続け、美術クラスのミス・アンダーソンは、あたしとアンジェリンになにやら意味ありげなそぶり。そしてキャロルおばさんがあたしの家でパーティーを開き、先生たちが家にやってくることに。

毎度わけのわからない周囲の人間に振り回され続ける、思い込み中学生ジェイミー・ケリーのすっとこ日記第5巻。わりといい話で終わった前巻とうってかわって、あっ?と驚くエンディングが待っていようとは、ジェイミーには予測もつかないことなのだった。他の人にはわかってたんですよ。

04月30日
08:14

Dear Dumb Diary #04 Never Do Anything, Ever
author Jim Benton 読了。

気が付けばもう4月も終わり。映画思い出しに気をとられて読書メモのことをすっかり忘れていた。

親友のイザベラとショッピングにでかけたあたし、ことジェイミー・ケリーは、邪悪なアンジェリンが髪留めを買うのを目撃。アンジェリンの美しさの秘密の一端を垣間見た。そのアンジェリンはいまやハドソン・リバースを巡って恋敵。体育の授業では班分けされて、課題を課せられる。アンジェリンはボランティアでチャリティー・ウォークに参加。募金を集めてどこだかの国のだれだかの子供に愛の贈り物をってバカじゃねえのとイザベラと大笑い。我が家ではママがガレージセールをはじめ、体育の課題はややこしくなり、学校ではチャリティー・ナワトビ大会で、裏切り者のイザベラはとんでもない真似をしてくれる。

あいかわらず、退屈しない中学生ジェイミー・ケリーの思い込み日記第5巻。天使のようなアンジェリンもさることながら、親友イザベラが個性的過ぎるその本性をあわらしてくるのであった。イザベラ、バカすぎる。素敵だ。

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