The Book of Elsewhere book1 The Shadow
author Jacqueline West 読了
リンデン通りの古い石造りの家に住む身寄りのない老婆がなくなり、空き家となったその家に越してきたのは Dunwood 一家。両親は大学で数学を教える数学者。その一人娘は、しかし、勉強は苦手。普段は注意力も散漫で、何をしてもへまばかりしてしまう10歳の Olive 。いままでずっとアパート住まいだった Olive は、古くてこれまでの住まいより遥かに広い一軒家のその家になにか不思議なものを感じる。家の中を一人探検する Olive は古い眼鏡を見つける。ある日、家中に飾ってある多くの絵の中に奇妙なものを見つけた Olive は、もっとよく見ようと古い眼鏡で絵を見ると、その絵が現実のものであるかのように動き始めるのだった。それどころか、Olive は額縁を越えて、絵の中に踏み込むことさえできるのだった。そして彼女の前に現れた猫は彼女の身に迫ろうとしている危険を知らせるのだが、Olive は忠告をきかず家の古い秘密を探ろうとし、やがてとんでもない危険と戦う羽目になるのだった。
家族で越してきた新しい家とその秘密。それを知る猫。一人危険を冒して、闇と戦う女の子、という設定は Coraline に通じるものがありますね。しかしもちろん、Coraline とはまったく違うお話。勉強もダメ、人のいうことは聞かない、自分の部屋も掃除できない、注意力散漫で少々かんしゃくもち、自慢できるのは好奇心だけ、はっきりいって並み以下の主人公、Olive もそれでも魅力あるキャラクターになっているところがすごい。Olive と関わる3匹の猫もそれぞれの個性がいい。家中の絵の謎、家そのものにまつわる謎、中盤過ぎでのどんでん返しから一気にクライマックスの戦いと見せ場が続くノンストップホラー。面白かった。買ったときは、またbook1(第1巻で続き物)か~と、読もうかどうしようかと思ったんですが、今は第2巻の発売を楽しみに待っています。