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洋書とカートゥーン、あといろいろ。

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過去の日記

 

日記一覧 (2010年6月)

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06月23日
01:21

Dragon Slayers' Academy #1 The New Kid at School
author Kate McMullan 読了

コメディ・ファンタジー「ドラゴン・スレイヤーズ・アカデミー」シリーズの第1巻。
村はずれのキャベツ農家の13人兄弟の三男 wiglaf は他の家族に似ず、虫も殺せない心の優しい少年。家族からは意気地なしの役立たずと思われ、皿洗いと豚の世話をする毎日。そんなwiglafの家に凍てつく冬のある日、旅の吟遊詩人が転がり込んでくる。詩人はただ一人優しく接する wiglaf に読み書きを教えてくれ、物語を聞かせてくれる。いつか wiglaf は家をでて、英雄になることを夢見るようになるが、家族と共に出かけた村に張り出された「ドラゴン・スレイヤーズ・アカデミー」の生徒募集の広告を見て、そのときが来たのを知る。「ドラゴンを退治して英雄に、そして、ドラゴンの宝を手に入れて大金持ちになろう。」広告の最後の部分に期待した家族に送られて、wiglaf は飼い豚のdaisyを連れて「ドラゴン・スレイヤーズ・アカデミー」を目指すのだが、はたして、入学資金もなく虫も殺せない優しいwiglafにドラゴン退治ができるのだろうか。

キャラクターもシチュエイションもほとんどカートゥーンのノリでめちゃくちゃおもしろい。くだらないギャグ連発のテンポもよく展開もスピーディー。けっこう伏線もきちんとしていて投げっぱなしな感じもない、丁寧なつくりになってます。微妙に胡散臭い「ドラゴン・スレイヤーズ・アカデミー」もいい雰囲気なんですが、しょうもない大人と自分に正直な子供たちというキャラクターがいい。田舎モノ丸出しでこ汚い wiglaf の家族、どうみても守銭奴な校長。実力があるのかないのかわからない学校の先生たち。wiglaf のクラスメイトになるドラゴンを退治したくてしょうがない eric にのんきでマイペースな angas。豚の daisy もいい味出してます、いや、食べたわけじゃないけれど。
knock-knockジョークやピッグラテンなどあまり日本人にはなじみのないギャグもでてきますが、これもわりと丁寧に書かれていてどういうギャグなのかよくわかるようになってます。
「ドラゴン・スレイヤー・アカデミー」シリーズのタイトルで、日本語訳もでています。こちらは未読ですが、原著よりやや低年齢向けに訳されているようですね。上記のギャグもうまいこと日本語のギャグになるように訳してあるようです。
訳書は日本向けなのでイラストは日本のRPG(ドラゴンなんとかとかそういう感じ)っぽい絵になってますが、原著のほうは微妙に暑苦しい中世ファンタジーテイストの絵で、これまたいい感じです。

今思いついたけど、日本の作品なら「忍玉乱太郎」に雰囲気が似てるといえるかもしれませんね。

06月20日
23:09

Ramona The Pest
author Beverly Cleary 読了

5歳になった Ramona は、幼稚園に通うことになる。姉の Beezus のように早く読み書きを習いたくてしょうがない Ramona。やさしいMiss Binneyや、多くの子供たちとの幼稚園でのいままでにない体験に毎日が楽しくてしょうがない。それでも、その独特の感受性から、問題を起こしてしまうことも。そして、とうとう幼稚園に行けなくなってしまうことになるのだが。

Ramona Quimby シリーズの第2巻。独立心旺盛で、少々わがまま。鋭い感受性の持ち主 Romana が出会う新しい世界でのお話。幼稚園で習う意味不明のdawnzerの歌や、アルファベットの書き取り、今まで観るだけだったハロウィンパレードへの参加、新しい雨用ブーツなど、日常起こる事が小さい子にとってどれだけ大きい出来事なのかを丁寧な心理描写と優しい視点で描写してある好シリーズ。自分の小さかったころなども思い出してしまいますね。
個人的には Beezus が主人公だった第1巻の方が好みですが、決してそれに劣る出来ではありません。

06月16日
03:22

The Worst Witch at School
author Jill Marphy 読了

Mildred は、霧深い森の中にある Miss Cackle's Academy for Witches に通う魔女。でも成績は最低でなにをやるにしても問題を起こしてしまう。魔女の箒もまともに操れないし、呪文や薬品作りも失敗ばかり。それでも厳格なMiss Hardbroom の指導の下、親友の Maud や、優等生でおたかくとまった Ethel ら魔女学校の生徒たちと共に一人前の魔女を目指している。そんな中、Mildred は、ハロウィーンの夜、魔法使いたちを招いての魔女学校のイベントで、またしても大失敗をやらかしてしまう。

「ミルドレッドの魔女学校」シリーズとして翻訳もでているthe worst witchシリーズの第1巻the worst witchと第2巻the worst witch strikes againをあわせたペーパーバック。お買い得。
魔法使いの学校というと今ではハリー・ポッターが有名ですがミルドレッドの第1巻は1974年の作品でシリーズは80年代に書かれているようですね。英国ではTVドラマにもなっていて、「空飛ぶ魔女学校」のタイトルで日本でも放映されました。いわゆるドジっ子でひょろっとしたのミルドレッドに、親友の眼鏡のおちびさんモウドのでこぼこコンビ、お高くとまったエセル、問題児のミルドレッドに目をつけている怖いハードブルーム先生に、優しいカックル校長とみごとにキャラクターがそろってますね。さらに第2巻には転校生の大柄でマイペースな Enid (なんて読むんだろう、エニッドでいいのかな)も登場。ミルドレッドもいいキャラになってますね。さすがに第1巻は中盤を過ぎるまでまでエピソードを並べただけっぽい感じを受けるんですが、第2巻はもっと全体のプロットがちゃんとしてる感じ。なにはともあれ、がんばれミルドレッド、とそういうこと。

06月09日
22:35

The Crossroads
author Chris Grabenstein 読了

zack はどこにでもいそうな少年。仕事に忙しい父親が再婚し、新しい母とともに家族でニューヨークからコネチカットの父の生まれた町へ引っ越してきた。家族で住むことになった家の裏庭、幹線道路に面した場所にある古い樹。そこにはかつて多くの人を死に至らしめた悪霊がいたのだ。そしてzackはその悪霊に命を狙われることになるのだが・・・。

児童図書とはいえスティーブン・キングに代表されるようなアメリカン・ゴシック・ホラー(わたしはホラー幻想文学系は欧州作品主体であまりアメリカのは読んでないんですが)の王道な感じですね。細かく張られた伏線から物語が進むに従って次第に事実が重なり合うように明らかになっていくミステリーの要素も十分。悪霊をはじめ、得体の知れない老婦人、zackの親友になる農場の少年、悪霊に翻弄される配管工、なによりzackの継母になる絵本作家のjudyと愛犬zipper等キャラクターも魅力的。怖さも十分、ホラーであってもプロットの論理性も十分。これが児童向けだと思うと実に贅沢な作品って感じです。

06月01日
21:23

Bad Girls
author Jacqueline Wilson読了

mandy は10歳になるが8歳くらいにしか見えない小さな女の子。同級生の kim たち3人組からイジメをうけている。両親が年取ってから授かった子供なので、愛されているのはわかっていても、古い感覚での扱いに不満を持っているし、それがまたイジメの原因のひとつでもあると思っている。そんな mandy の前に、里親と暮らす女の子 tanya が現れる。自分の思う通りのままのスタイルで人の目を気にしない tanya に憧れをいだく mandy だが母親は常識はずれの格好をした tanya と mandy が付き合うのを快く思わない。それでも tanya と mandy は友達になるのだが・・・。

久しぶりの jacqueline wilson の作品。例によってかなりシビアなテーマなのだが、あまり暗く沈むことなくかといって都合よく解決というわけでもなく、それでもこれでよかったと思う終わり方。さすがですね。

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