グランド・キャニオンに程近い町の学校に通う4人の子供たち、Blenton Sam(a.k.a.Snik) Judy Kelsey は授業でたまたま班分けされて一緒になる。天才で他人を排し孤独なBlentonは、自宅のコンピュータシステムを利用して、自動的に宿題を仕上げてしまう、「ホームワーク・マシン」を作り上げる。そのことを知った Sam たちは4人でそのホームワーク・マシン Belch を使うことになる。初めは立場も性格も関係もばらばらだった4人だが、Belch を共有するようになってから、少しずつ変わっていくのだった。
孤独で他人に興味のない天才少年 Blenton。軍人を父に持つcoolな少年 Sam。ちょっと不良っぽいイケてる少女 Kelsey。勉強熱心なごくごく普通の女の子Judy。そのままでは何のかかわりもなく卒業していくことになっただろう4人の子供たちが Belch によって関係を持ち、やがて自分でも気が付かなかった隠れていた自分自身に、そして、すぐとなりにいた仲間たちに気が付いてゆく、子供たちの不思議な成長物語。
my weird school シリーズの作者だからとまたガチャガチャした物語なのかと思ったら全然違った。地元警察の、少年たちと少年たちに関わる人たちからの調書の形で進行するので、その時その時のそれぞれの視点で語られていく構成がうまい。ラストの一言も、いいよ。
Poppy Fields は夏休みの終わりに、母の友人の誘いで、スコットランドにある離れ小島の murrad にできた activity centre (野外活動体験型宿泊施設)に無料で招待される。同級生のオタク少年 graham も含めて5人の子供たちは、事故で顔に大きな傷を持つ centre のインストラクターの青年 bruce の運転するバスでスコットランドへ。さらに港から小さなフェリーで murrad へ。古城を再利用した activity centre 以外、人の住まない離れ小島で、centre を運営する青年たちの指導で poppy たちは野外スポーツを体験するのだ。ところが、最初のロッククライミングで、bruce が海に転落。死体は折から島を包み始めた悪天候の波で、流されてしまう。そして、それを始めにインストラクターの青年たちが次々に死んでいく。これは事故?それとも殺人?外界と隔絶した小島をさまよう幽霊のしわざ?
人間観察が趣味の poppy と、ことあるごとに野外活動がどれほどの危険度なのかのデータで文句を言うオタク少年 graham のコンビが推理と観察で、死んでいく大人たちの真実にせまるミステリー。若年層児童向けなので、すでにミステリーを多く読んでいる大人にとっては驚くようなストーリーではないが、子供向けだと考えると、さすがミステリーの本場イギリスの作品だなと思わせられる。人間観察と推理の論理性。動機、機会、方法のミステリーの三要素をちゃんと描いてある。また、キャラクターもいい。poppy の一人称なので、自分については多くを語らないが、poppy は少女版ミス・マープルだといえるんじゃないかな。少女なので足りない経験や知識を補ってくれるのが、おたく少年 graham。この二人はなかなかいいコンビ。
My Weird School #17 Miss Suki is Kooky
author Dan Gutman 読了
Ella Mentry 小学校では、間近にせまった Picture day (でました。年鑑のための写真撮影の日ね)に、女子はおしゃれに余念がない。一方、picure day と同じ日にブルーベリー賞を受賞した日本人作家 Miss Suki Kabuki が、学校を訪れることになり学校中が歓迎の準備でうわついた雰囲気に。そして、その日がやってくるのだが・・・。
とうとう日本人登場ですよ。先生じゃなくて児童図書作家。ブルーベリー賞は実在の児童図書賞。最初はニューベリー賞のパロディかと思ったら本当にあるらしい。歌舞伎好き先生ですか。ストレートだなあ。まいどイベントのたびにめちゃくちゃになってしまうエラ・メンタリー小学校。今回も Miss Suki が持ってきた箱の中身が原因で大変なことに。そういう意味ではAJがちょっとおとなしめのエピソードだったかも。
My Weird School #16 Ms. Coco Is Loco
author Dan Gutman 読了
4月は全国詩月間(本当なの?アメリカ。まじ?)。
ということで、例によって Ella Mently elementry ではイベント好きな校長先生 Mr Klutz が、学校を挙げて、1000本の詩をつくろうと提案。成功した暁には本物の生きた詩人を学校に呼ぶと約束(死んだ詩人は呼んでも来られませんからね)。一方、われらが AJ と andrea は gifed and talented class に呼び出されて、これまたいろいろ詩を作らされることに。詩を作るなんて真っ平の AJ は一計を案じ、独自の詩作成システムを開発。さらに詩作りにこまっている学校の男子たちに、詩の密売をはじめてしまう。
わたくし、本に関して、基本ジャケ(表紙)買いはしないんですが、洋書はまだまだ読書量が少ないので、すでに訳書がでていて知っているとか前に読んだ作者の別の本とかでないと、一体どういう本なのかさっぱりわからない、みたいなことが多いので、ジャケ買いあり、にしています。この本も表紙の絵を見て手に取りました。一つ前の、the love curse of the rumbaughs もジャケ買いです。あの表紙だもんね。なんじゃこりゃ、って思って。
Mildred は、霧深い森の中にある Miss Cackle's Academy for Witches に通う魔女。でも成績は最低でなにをやるにしても問題を起こしてしまう。魔女の箒もまともに操れないし、呪文や薬品作りも失敗ばかり。それでも厳格なMiss Hardbroom の指導の下、親友の Maud や、優等生でおたかくとまった Ethel ら魔女学校の生徒たちと共に一人前の魔女を目指している。そんな中、Mildred は、ハロウィーンの夜、魔法使いたちを招いての魔女学校のイベントで、またしても大失敗をやらかしてしまう。
新着日記一覧 (タグ:洋書読み)
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75件中 61件〜75件を表示
23:34
洋書読み
The Homework Machine
author Dan Gutman 読了
グランド・キャニオンに程近い町の学校に通う4人の子供たち、Blenton Sam(a.k.a.Snik) Judy Kelsey は授業でたまたま班分けされて一緒になる。天才で他人を排し孤独なBlentonは、自宅のコンピュータシステムを利用して、自動的に宿題を仕上げてしまう、「ホームワーク・マシン」を作り上げる。そのことを知った Sam たちは4人でそのホームワーク・マシン Belch を使うことになる。初めは立場も性格も関係もばらばらだった4人だが、Belch を共有するようになってから、少しずつ変わっていくのだった。
孤独で他人に興味のない天才少年 Blenton。軍人を父に持つcoolな少年 Sam。ちょっと不良っぽいイケてる少女 Kelsey。勉強熱心なごくごく普通の女の子Judy。そのままでは何のかかわりもなく卒業していくことになっただろう4人の子供たちが Belch によって関係を持ち、やがて自分でも気が付かなかった隠れていた自分自身に、そして、すぐとなりにいた仲間たちに気が付いてゆく、子供たちの不思議な成長物語。
my weird school シリーズの作者だからとまたガチャガチャした物語なのかと思ったら全然違った。地元警察の、少年たちと少年たちに関わる人たちからの調書の形で進行するので、その時その時のそれぞれの視点で語られていく構成がうまい。ラストの一言も、いいよ。
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22:54
洋書読み
My Weird School #19 Dr,Carbles is Losing His Marbles!
author Dan Gutman 読了
感謝祭も近づいてその準備に忙しいエラ・メンタリー小学校。イベント好きな校長先生 Mr.Klutz は、先住民に扮して七面鳥とともに登場。学校のみんなに感謝祭に素敵な飾り付けをすることが出来たら自分は七面鳥のMs Gobbleと結婚すると宣言。ところが、騒動の続くエラ・メンタリー小学校に業を煮やした教育委員会は Mr.Klutz を首にしてしまう。
かわりに新しく校長の座に着いたのはなにかと Mr.Klutz を目の敵にしていた Dr.Carbles 。そして彼の支配するエラ・メンタリー小学校は軍隊よろしく規則でがんじがらめの不自由な学校に変わってしまう。AJたちは、再び Mr.klutz に校長先生として帰ってくれるよう頼むのだが、こればかりはMr,Klutz 自身にもどうしようもない。しかも Mr.Klutz と Dr,Carbles の間には若い頃からの因縁があったのだった。
ある意味エラ・メンタリー小学校最大の危機。お調子者の校長先生を取り戻し、再び自由な学校にもどすためにAJたちの戦いが今はじまったりなんかしちゃったりするのだった。いつものこととはいえけっこうめちゃくちゃだよ。いい意味で。
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22:32
洋書読み
My Weird School #18 Mrs. Yonkers is Bonkers!
author Dan Gutman 読了。
サボっていた読書日記ですが、あんまり書かないと読んだことをわすれてしまうので、その前に。
エラ・メンタリー小学校に新しい先生と教室が。それはコンピューター室とその先生 Mrs,Yonkers。ところがその教室は屋外に置かれたトレーラーハウスの中。AJたちは天才コンピューター技師の Mrs.Yonkres のおかしな発明を利用したおかしな授業で大混乱。
一方学校では子供たちの砂糖過剰摂取をやめさせようと(カートゥーンでもおなじみのねたですね)、ジャンクフード排除運動がはじまってしまう。
次なるMrs,Yonkersの天才的発明は、そしてAJたちはジャンクフードをとりもどすことができるのか?
というわけで、とうとうSFの領域にも突入してきたMWSシリーズ。天才発明家 Mrs,Yonkers が天才ならではのバカ発明連発。ちょっとフラニー・K・スタインぽいともいえる異色作。
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21:22
洋書読み
Mondays are Murder
author Tanya Landman 読了
Poppy Fields は夏休みの終わりに、母の友人の誘いで、スコットランドにある離れ小島の murrad にできた activity centre (野外活動体験型宿泊施設)に無料で招待される。同級生のオタク少年 graham も含めて5人の子供たちは、事故で顔に大きな傷を持つ centre のインストラクターの青年 bruce の運転するバスでスコットランドへ。さらに港から小さなフェリーで murrad へ。古城を再利用した activity centre 以外、人の住まない離れ小島で、centre を運営する青年たちの指導で poppy たちは野外スポーツを体験するのだ。ところが、最初のロッククライミングで、bruce が海に転落。死体は折から島を包み始めた悪天候の波で、流されてしまう。そして、それを始めにインストラクターの青年たちが次々に死んでいく。これは事故?それとも殺人?外界と隔絶した小島をさまよう幽霊のしわざ?
人間観察が趣味の poppy と、ことあるごとに野外活動がどれほどの危険度なのかのデータで文句を言うオタク少年 graham のコンビが推理と観察で、死んでいく大人たちの真実にせまるミステリー。若年層児童向けなので、すでにミステリーを多く読んでいる大人にとっては驚くようなストーリーではないが、子供向けだと考えると、さすがミステリーの本場イギリスの作品だなと思わせられる。人間観察と推理の論理性。動機、機会、方法のミステリーの三要素をちゃんと描いてある。また、キャラクターもいい。poppy の一人称なので、自分については多くを語らないが、poppy は少女版ミス・マープルだといえるんじゃないかな。少女なので足りない経験や知識を補ってくれるのが、おたく少年 graham。この二人はなかなかいいコンビ。
ところで、顔に傷を持つ bruce。オーストラリアなまり、と書いてある。おもわずニヤリですな。
やーブルース。おはようブルース。天気がいいねえブルース。小猿のおしりも赤くなるほど暑いねブルース。猿のおしりも子供は青いのかブルース。
ま、そういうこと。
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05:42
洋書読み
Stant Bunny Showbiz Sensation
author Tamsyn Murray 読了
Wilson 家にやってきたうさぎは、ペットショップから家についたとたん、入っていた箱の穴を大きく食い破って脱出。付いた名前が Harriet Houdini。動物病院での大騒ぎから得意の軽業を披露した Harriet は、人気番組「Superpets」のオーディションに出場することになるのだが・・・。
Harriet の世話をするのは、長女の Susie 。初対面で Harriet に指先をかじられて、彼女を快く思わない父親の EE 。Harriet を人形代わりにままごと遊びをしたがる妹の Lily。Wilson 家のペット、泰然自若の猫、Smadge。父親がharrietを嫌ってるっていうのがいい感じ。TVオーディションはもっとしっちゃかめっちゃかになるのかと思ったらそれほどでもないけれど(イギリスの小説だからかな。アメリカだったもっとめちゃくちゃな感じになるんじゃないかな)、ちゃんと悪役も用意してある。そのあとさらにもうひと波乱あるところがいい。それほど派手でもないクライマックスが、それでもいい感じ。このへん、児童向け小説らしい。特別すごいこと(漫画的な)が起きないっていうのも現実的で好ましい。Harriet が特別善人ってわけでもないのもいいかも。うさぎですからね。
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06:12
洋書読み
My Weird School #17 Miss Suki is Kooky
author Dan Gutman 読了
Ella Mentry 小学校では、間近にせまった Picture day (でました。年鑑のための写真撮影の日ね)に、女子はおしゃれに余念がない。一方、picure day と同じ日にブルーベリー賞を受賞した日本人作家 Miss Suki Kabuki が、学校を訪れることになり学校中が歓迎の準備でうわついた雰囲気に。そして、その日がやってくるのだが・・・。
とうとう日本人登場ですよ。先生じゃなくて児童図書作家。ブルーベリー賞は実在の児童図書賞。最初はニューベリー賞のパロディかと思ったら本当にあるらしい。歌舞伎好き先生ですか。ストレートだなあ。まいどイベントのたびにめちゃくちゃになってしまうエラ・メンタリー小学校。今回も Miss Suki が持ってきた箱の中身が原因で大変なことに。そういう意味ではAJがちょっとおとなしめのエピソードだったかも。
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05:43
洋書読み
My Weird School #16 Ms. Coco Is Loco
author Dan Gutman 読了
4月は全国詩月間(本当なの?アメリカ。まじ?)。
ということで、例によって Ella Mently elementry ではイベント好きな校長先生 Mr Klutz が、学校を挙げて、1000本の詩をつくろうと提案。成功した暁には本物の生きた詩人を学校に呼ぶと約束(死んだ詩人は呼んでも来られませんからね)。一方、われらが AJ と andrea は gifed and talented class に呼び出されて、これまたいろいろ詩を作らされることに。詩を作るなんて真っ平の AJ は一計を案じ、独自の詩作成システムを開発。さらに詩作りにこまっている学校の男子たちに、詩の密売をはじめてしまう。
ここのところやや高年齢向けのものばかり読んでいたので、久しぶりに頭を使わずにすむ、my weird shool シリーズを。毎度カートゥーンのノリで楽しい。今回は詩。感激屋の詩(多分本当は国語の先生)担当 Ms. Coco 登場。アメリカでは詩は授業の一環なんですね。小学校モノのシリーズでは必ずといっていいほど出てくるネタなんじゃなかろうか。ただし、今回は rhyme じゃなくて poem 。
あいかわらず、AJ のひねった言語感覚がいいなあ。
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04:34
洋書読み
Uncle Montague's Tales of Terror
author Chris Priestley 読了
Edger は、小さな暗い森の中の屋敷に住む Montague 叔父のところにでかけ、叔父の話す奇妙な物語を聞くのが好き。その日も叔父の書斎にある様々な品物にまつわる物語を聞かせてもらうのだが・・・。
奇妙な屋敷に住む奇妙な叔父が語って聞かせてくれる、残酷な運命にみまわれた子供たちの物語。ひとつひとつ、物語が語られるにつれて Edger は屋敷に迫る不思議な雰囲気に気が付いていく。10のショートストーリーとそれらをつなぐMontague叔父の関係は?じわじわと迫り来るモノたちの正体は?怪談集のスタイルで、読み進むと次第につのるサスペンスも楽しい。ショートストーリーもそれぞれ趣向がこらしてあって面白い。「剪定」と「金属の額縁」が好き。「金属の額縁」は特に好き。
エドワード・ゴーリーを思わせるような繊細な線画のイラストも素敵ですよ。
わたくし、本に関して、基本ジャケ(表紙)買いはしないんですが、洋書はまだまだ読書量が少ないので、すでに訳書がでていて知っているとか前に読んだ作者の別の本とかでないと、一体どういう本なのかさっぱりわからない、みたいなことが多いので、ジャケ買いあり、にしています。この本も表紙の絵を見て手に取りました。一つ前の、the love curse of the rumbaughs もジャケ買いです。あの表紙だもんね。なんじゃこりゃ、って思って。
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22:32
洋書読み
The Love Curse of The Rumbaughs
author Jack Gantos 読了
Ivy は田舎町のホテルに母と二人で暮らす少女。ホテルの向かいで薬局を営む ab と dolph の双子の老人 Rambaugh兄弟と母子で付き合いがある。イースターの日、Ivy は、薬局の地下室であるものを見てしまう。その日から、彼女の人生は、彼女の知らなかった側面を見せ始め、平凡なものだと思っていた彼女の人生は変わっていくのだった。
成長した Ivy からの視点で語られる、Rumbaugh家の呪いとは。
呪いといっても心霊オカルト系ではなくサイコ系ホラー。ホラーといっても恐怖描写などほとんどなく、あくまでも愛の物語。描かれるのはまさに異形の愛ですね。
中盤でいきなり明かされるの Rumbaugh家の秘密や、それに続く、Ivy母子の運命。途中このあとこうなるんだろうなあ、と思った通りになるのだけれど、それはもうこの物語の語る主人公たちの運命なので、しょうがないのだな。物語は何を語るかだけでなく、どのように語るのか、が面白さのポイントの一つであることをわからせてくれる。
児童書といってもあきらかにヤングアダルト向けなので、わからない単語頻出。第1章はかなり引っかかったけれど、そこを過ぎると、面白く読めました。語彙がふえたら、また読み返してみたい作品。
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18:03
Jane Blonde twice the spylet
イラストの投稿テストに描いてみました。
Jane Blonde twice the spyletの主人公jane。昨日アマゾンで「在庫あり」になっていたので即注文。今日、帰宅したら届いていました。さすがアマゾン仕事が速いぜ。
上の部分はイラストをふくめて6月6日に書いたものです。
イラストのところに「簡単イラスト日記作成」みたいなアイコンがあったので
試しに押してみたら、日記のところに加わった。
あ~なるほど~こうなるのか。
まだまだいろいろできるんでしょうね。
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01:21
洋書読み
Dragon Slayers' Academy #1 The New Kid at School
author Kate McMullan 読了
コメディ・ファンタジー「ドラゴン・スレイヤーズ・アカデミー」シリーズの第1巻。
村はずれのキャベツ農家の13人兄弟の三男 wiglaf は他の家族に似ず、虫も殺せない心の優しい少年。家族からは意気地なしの役立たずと思われ、皿洗いと豚の世話をする毎日。そんなwiglafの家に凍てつく冬のある日、旅の吟遊詩人が転がり込んでくる。詩人はただ一人優しく接する wiglaf に読み書きを教えてくれ、物語を聞かせてくれる。いつか wiglaf は家をでて、英雄になることを夢見るようになるが、家族と共に出かけた村に張り出された「ドラゴン・スレイヤーズ・アカデミー」の生徒募集の広告を見て、そのときが来たのを知る。「ドラゴンを退治して英雄に、そして、ドラゴンの宝を手に入れて大金持ちになろう。」広告の最後の部分に期待した家族に送られて、wiglaf は飼い豚のdaisyを連れて「ドラゴン・スレイヤーズ・アカデミー」を目指すのだが、はたして、入学資金もなく虫も殺せない優しいwiglafにドラゴン退治ができるのだろうか。
キャラクターもシチュエイションもほとんどカートゥーンのノリでめちゃくちゃおもしろい。くだらないギャグ連発のテンポもよく展開もスピーディー。けっこう伏線もきちんとしていて投げっぱなしな感じもない、丁寧なつくりになってます。微妙に胡散臭い「ドラゴン・スレイヤーズ・アカデミー」もいい雰囲気なんですが、しょうもない大人と自分に正直な子供たちというキャラクターがいい。田舎モノ丸出しでこ汚い wiglaf の家族、どうみても守銭奴な校長。実力があるのかないのかわからない学校の先生たち。wiglaf のクラスメイトになるドラゴンを退治したくてしょうがない eric にのんきでマイペースな angas。豚の daisy もいい味出してます、いや、食べたわけじゃないけれど。
knock-knockジョークやピッグラテンなどあまり日本人にはなじみのないギャグもでてきますが、これもわりと丁寧に書かれていてどういうギャグなのかよくわかるようになってます。
「ドラゴン・スレイヤー・アカデミー」シリーズのタイトルで、日本語訳もでています。こちらは未読ですが、原著よりやや低年齢向けに訳されているようですね。上記のギャグもうまいこと日本語のギャグになるように訳してあるようです。
訳書は日本向けなのでイラストは日本のRPG(ドラゴンなんとかとかそういう感じ)っぽい絵になってますが、原著のほうは微妙に暑苦しい中世ファンタジーテイストの絵で、これまたいい感じです。
今思いついたけど、日本の作品なら「忍玉乱太郎」に雰囲気が似てるといえるかもしれませんね。
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23:09
洋書読み
Ramona The Pest
author Beverly Cleary 読了
5歳になった Ramona は、幼稚園に通うことになる。姉の Beezus のように早く読み書きを習いたくてしょうがない Ramona。やさしいMiss Binneyや、多くの子供たちとの幼稚園でのいままでにない体験に毎日が楽しくてしょうがない。それでも、その独特の感受性から、問題を起こしてしまうことも。そして、とうとう幼稚園に行けなくなってしまうことになるのだが。
Ramona Quimby シリーズの第2巻。独立心旺盛で、少々わがまま。鋭い感受性の持ち主 Romana が出会う新しい世界でのお話。幼稚園で習う意味不明のdawnzerの歌や、アルファベットの書き取り、今まで観るだけだったハロウィンパレードへの参加、新しい雨用ブーツなど、日常起こる事が小さい子にとってどれだけ大きい出来事なのかを丁寧な心理描写と優しい視点で描写してある好シリーズ。自分の小さかったころなども思い出してしまいますね。
個人的には Beezus が主人公だった第1巻の方が好みですが、決してそれに劣る出来ではありません。
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03:22
洋書読み
The Worst Witch at School
author Jill Marphy 読了
Mildred は、霧深い森の中にある Miss Cackle's Academy for Witches に通う魔女。でも成績は最低でなにをやるにしても問題を起こしてしまう。魔女の箒もまともに操れないし、呪文や薬品作りも失敗ばかり。それでも厳格なMiss Hardbroom の指導の下、親友の Maud や、優等生でおたかくとまった Ethel ら魔女学校の生徒たちと共に一人前の魔女を目指している。そんな中、Mildred は、ハロウィーンの夜、魔法使いたちを招いての魔女学校のイベントで、またしても大失敗をやらかしてしまう。
「ミルドレッドの魔女学校」シリーズとして翻訳もでているthe worst witchシリーズの第1巻the worst witchと第2巻the worst witch strikes againをあわせたペーパーバック。お買い得。
魔法使いの学校というと今ではハリー・ポッターが有名ですがミルドレッドの第1巻は1974年の作品でシリーズは80年代に書かれているようですね。英国ではTVドラマにもなっていて、「空飛ぶ魔女学校」のタイトルで日本でも放映されました。いわゆるドジっ子でひょろっとしたのミルドレッドに、親友の眼鏡のおちびさんモウドのでこぼこコンビ、お高くとまったエセル、問題児のミルドレッドに目をつけている怖いハードブルーム先生に、優しいカックル校長とみごとにキャラクターがそろってますね。さらに第2巻には転校生の大柄でマイペースな Enid (なんて読むんだろう、エニッドでいいのかな)も登場。ミルドレッドもいいキャラになってますね。さすがに第1巻は中盤を過ぎるまでまでエピソードを並べただけっぽい感じを受けるんですが、第2巻はもっと全体のプロットがちゃんとしてる感じ。なにはともあれ、がんばれミルドレッド、とそういうこと。
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22:35
洋書読み
The Crossroads
author Chris Grabenstein 読了
zack はどこにでもいそうな少年。仕事に忙しい父親が再婚し、新しい母とともに家族でニューヨークからコネチカットの父の生まれた町へ引っ越してきた。家族で住むことになった家の裏庭、幹線道路に面した場所にある古い樹。そこにはかつて多くの人を死に至らしめた悪霊がいたのだ。そしてzackはその悪霊に命を狙われることになるのだが・・・。
児童図書とはいえスティーブン・キングに代表されるようなアメリカン・ゴシック・ホラー(わたしはホラー幻想文学系は欧州作品主体であまりアメリカのは読んでないんですが)の王道な感じですね。細かく張られた伏線から物語が進むに従って次第に事実が重なり合うように明らかになっていくミステリーの要素も十分。悪霊をはじめ、得体の知れない老婦人、zackの親友になる農場の少年、悪霊に翻弄される配管工、なによりzackの継母になる絵本作家のjudyと愛犬zipper等キャラクターも魅力的。怖さも十分、ホラーであってもプロットの論理性も十分。これが児童向けだと思うと実に贅沢な作品って感じです。
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21:23
洋書読み
Bad Girls
author Jacqueline Wilson読了
mandy は10歳になるが8歳くらいにしか見えない小さな女の子。同級生の kim たち3人組からイジメをうけている。両親が年取ってから授かった子供なので、愛されているのはわかっていても、古い感覚での扱いに不満を持っているし、それがまたイジメの原因のひとつでもあると思っている。そんな mandy の前に、里親と暮らす女の子 tanya が現れる。自分の思う通りのままのスタイルで人の目を気にしない tanya に憧れをいだく mandy だが母親は常識はずれの格好をした tanya と mandy が付き合うのを快く思わない。それでも tanya と mandy は友達になるのだが・・・。
久しぶりの jacqueline wilson の作品。例によってかなりシビアなテーマなのだが、あまり暗く沈むことなくかといって都合よく解決というわけでもなく、それでもこれでよかったと思う終わり方。さすがですね。
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