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日記一覧 (2013年2月1日)

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02月01日
02:04

前のエントリで説明不足な部分がありましたね。

国書刊行会の世界幻想文学大系の装丁で、ケースにケース縦幅の紙の帯で、その紙が痛みやすい、と書きましたが、本なんだから紙なのは当たり前だろうと思われた方もおいででしょう。
その通り。これはいけない。つまり、今現在の本のカバーのほとんどが、紙になんらかのコートがかかっているということを前提にして、それがかかっていないただの上質紙の類だといいたかったわけです。
だから、汚れに弱いし、背焼け(背焼けとは、本棚に並べておいて置くと - 積み重ねても同じですが - 外気に触れている背表紙が退色することを言います)にも弱い(もっともコート紙でも結構退色しますけどね)うえに、破れやすいというわけです。
国書刊行会の本はわりと表紙にコートされていない上質紙(エンボス紙やマーメイドのような紙などの場合もあるけど)をそのまま使う傾向がある、と、いうことです。昔の本なら、クロス装丁(紙の生地の表面を布で覆った表紙の本、表紙が布で出来ているわけです)なども汚れには弱いので、パラフィン紙などでカバーがかかっていたりするわけ。
でも最近はとんとパラフィンのカバーなどお目にかかれませんね。汚れ防止が主な役目なので、このパラフィンは薄く非常に破れやすい。ケース入りの本ではこのパラフィンが破れたり皺にならないようにケースに戻すのも結構手間だったりしますから、経済的にも、扱いやすさの面でも、パラフィンカバーはなくなってしまったということでしょうか。その代わり、汚れと破れに強い、紙の表面をプラスチックのフィルムでおおったコート紙が本の表紙の主流になってますね。少々水分を落としてもさっとふき取れる。ちょっとこすったくらいでは破れない。便利だ。

そういや、ケースの外枠をパラフィンのカバーで覆っている本とかあったなあ。全体を覆うのではなく、筒状のパラフィンカバーで、ケースの背と本を入れる部分が開いているのだ。迂闊に本棚にしまえない(他の本に引っかかるとパラフィンが簡単にひっちゃぶける、あたしの本のはまだやぶれてませんよ、というもの)という罠のような装丁。一体どういう了見であんな装丁にするのか、装丁者に真意を問いただしたい、みたいな本。

最近はあんまり変な装丁の本がありませんね。いいことです。実際にはコストがその理由なんだとは思いますが、読んだら終わりみたいな本でなく、きちんと本棚に納まり、ならべて美しい本でありやがりませ、って感じ。

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