と、いうわけで、ついにミステリーシャックを手に入れたギデオン(詳しいいきさつは自分の目で確かめよう)。
グラビティーフォールズの町の人々は人気者のギデオンを応援こそすれ、土地建物を失い、スースのばあちゃん家(ち)に居候の身になったミステリーシャック御一行様に同情するものなど一人もいない有様。
さっそくギデオンはグラビティーフォールズの住人を集めるとミステリーシャックの建物を取り壊し、自らのテレパシーテント拡大版、邪悪(?)なギデオン・ランド建設を宣言する。しかもギデオンはワドルまでもを我が物にしているのだった。よるべない身をもてあますスタン。居心地のいい屋根裏部屋を失い、このままでは夏休みも半ばでグラビティーフォールズを後にせざるを得ないディッパーとメイベル。そしてミステリーシャックが消えてスースとウェンディは失職。ウェンディは町を離れることになり、スースは新しい職探しの日々をすごすのだった。お手上げ状態のミステリーシャックご一行様。このままウェンディと別れたくない(多分)ディッパーは6本指の手記をたよりにシャック奪還計画を立てるのだったが、ギデオンの前にころりと失敗。
だがしかし。ことはそれだけでははおさまらない。ついに明かされたギデオンの真の目的はXXXXXXなのだった。もし、XXXXXXが手に入ればギデオンはXXXXXXも夢ではない。しかし、ミステリーシャックを手に入れたにもかかわらずXXXXXXを見つけることができないギデオンは、ディッパーがXXXXXXXをXXXXXのではないかと思い至り、ついにXXXXXXで、ディッパーとメイベルに襲い掛かるのだった。どうするディッパー!XXXXXXをXXXXXXしてXXXXXXとXXXXXXをXXXXXXXのか?そしてXXXXXXの本当のXXXXXXとは?もう書いているほうもXXがXXXXだかわからない最大のクライマックスを迎えるのだった。どうなるディッパー!危うしメイベル!!なんとかしろスタン!そしてスースの新しい仕事は無事見つかるのか!?ウェンディは本当にいっちゃうのか!?どうなんだグラビティーフォールズ!!
とうとう第1シーズン最終回をむかえたグラビティーフォールズ。
謎が謎を呼び怒涛の展開。そしてXXXXがXXXXとまさかのXXXXというわけで、これ以上Xばっかり入力してもしょうがないのでここまで。
いや~、久しぶり(でもないか)に面白いアニメをみさせていただきました。
しかし、アメリカの人はこういうネタが大好きですね。日本でもこないだ始まったTVドラマ「Grimm グリム」も、実にいい感じで、しかも舞台がグラビティフォールズと同じオレゴン州(こっちは都市部のポートランドが舞台ですが)。アメリカ国内でオレゴン州ってどういう位置づけなんだろうか、とおもわずにはいられない。
こういう作品をみるとアメリカ人の持つSFマインド(あるいはセンス・オブ・ワンダー)というものを感じざるを得ない。
が、しかし、面白いアニメであればこそ、ちょこちょこと気になる部分もあったりするものだ(ダメアニメならさいしょっからそんなこと気にしない)。
「フィニアスとファーブ」もそうだけど、わりと作画がいい加減な場合がある。全体にまとまっていて美しい仕上がりであるだけに、適当な部分がちょっと目立ってしまうのだな。まあ、しかしある意味間違い探し程度におもって面白がってもいいレベルだといえるかもしれないが、それでも「ウェインディ~脚がねぇ~」事件(事件はおおげさ)はちょっとどうかと思うね。あれなんとかしてください。
ほとんどの場合、ストーリーに文句はないのだが、それでも「時間旅行者の豚」回では、やはり時間テーマSFが映像作品に向かない、という事実を突きつけられたようでSFファンとしては少々つらいものがあった。作品としてだめ、という意味ではないので誤解のないように。映像作品としてはああするしかないんだろうなと思いはするのだけれどね。子供向けだし。あまりハードにつきつめてもしょうがないと、どこかで娯楽作品よりに曲げなければならないのはしょうがないのかもしれない。
たとえ子供向けでも、時間テーマSFは小説になると実に良く出来ているものが多い。2年前にニューベリー賞(アメリカの児童文学賞)をとった「when you reach me」も実によくできた時間テーマのSFで、コアなSFファンも満足のいく内容だった。だから子供向けだからプロットが変になるのではなく、小説と映像作品というメディアの違いが、時間テーマの場合、作品の方向性、特にプロットの論理性にはっきりあらわれてしまうのではなかろうか。グラビティーフォールズといえど、例外にはなりえなかったということですね(ちなみにここしばらくの間のSF映像作品でまともな時間SFだったのは「12モンキーズ」くらいなんじゃないかな?)。もう一度言いますが、作品としてダメといってるんじゃないですよ。あくまで時間テーマSFとしてどうなのか?という視点の場合、ちょっと残念だったなということですからね。アニメ作品としてはよく出来ていてほとんどの人は満足できるエピソードだっただろうと思います(一部わたしのような人間だけがまだやりようがあったんじゃね?みたいなことを思うだけですよ)。
なんてこともありましたが、ほかにもえ~そおなの?だの、なんじゃそりゃ、みたいなものがあったりするんだけれど、そこはアニメーションというメディアの強みで、なんなくクリア。こういうSFファンタジー・オカルトミステリーの本質が真面目で大げさな法螺話だと思えば、やっぱり法螺話は楽しいということですね。
とびだしたどんぐり目玉は「ザ・シンプソンズ」系のチャレンジングなキャラクターデザインだけど、みごとに成功。カートゥーンネットワークでも流行のチューブ状手脚というデザインも、グラビティーフォールズ流にアレンジされていてオリジナルなものになっているし、さらにぷっくりおたふく顔のディッパーとメイベルは日本のアニメでは考えられないデザインではなかろうか。しかしこれが実にいい感じ。メイベルは時にめっちゃかわいく、時にみょうに不細工に見えるというただ単にカワイイだけのデザインとは一味違うんだな。
なにしろ絵と声のマッチングがすばらしい。はじめはわりとオトナ声のキャラクターにびっくりするけれど、1話を見終わるころにはもうこの声以外考えられないようになっている。これはもうキャスティングが見事だというしかない。メイベルの声の出演者(原語版)の人、クリステン・シャールはアメリカのアニメ賞(アニー賞)で主演女優賞をとったとか。当然だな。
とりあえず、あの声でメイベルというキャラクターを生み出したというだけでも価値ありな作品といえるかも。ウェンディもね。おねえちゃん声がたまりませんな。
総じて背景も美しい作品でしたね。TVシリーズだとわりとキャラクターにあわせてパターン化したり省略の効いた背景が多いのだけれど、日本アニメというか、カートゥーンでもよりリアルなヒーロー系作品のようにリアルな背景でありつつ、キャラクターにあわせて省略するところは省略するというオリジナルな味わいの出来でしたね。OPや第1話、2話の背景の美しさは見事な出来だといえるでしょう。第3話以降は流石にもうどういう背景なのかわかっているのでそれほどのショックはないわけですが、それでも安定した美しさを保ってシーズンを終えたのはとてもいい仕事だったといえるのではないでしょうか。最終回はこれまた実に美しい背景にお目にかかれますよ。
効果音や音楽もあまり目立たないんですが、目立たないだけにいい仕事だったといえるでしょう。特に効果音はよかった。第1話のディッパーが木の幹をトンカチで叩いたときの音や、第2話の一見怪物の発した叫び声のようなチェーンソーの音など、こまかところでちゃんと音をつくっているのはきいていて心地よいものでありました。BGMも同様に、あまり表にしゃしゃり出てこないいい感じのBGMが多くて実に好ましい。もちろんOPのテーマ曲がすばらしいのはあらためて言うまでもないことですね。OPは映像も含めて出色の出来でありましょう。
総じて十分満足のいく作品だったグラビティーフォールズ。
第2シーズンは来年初頭からスタートの予定とか。
待ち遠しい!遠しすぎる!!