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2012年09月29日 00:59

怪しく伸びたり縮んだり

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Good!
日本ディズニーチャンネルでも10月末からレギュラー放送が始まる「怪奇ゾーン グラビティフォールズ」。みんな観よう。ぜひ観よう。

そんなわけで、第11話。
メイベルとの恋に破れ、ミステリー・シャックご一行様(主にスタンとディッパー)に復讐を果たそうとする、ギデオンだが、スタンをだまそうとしてあっさり見破られる有様。しかし、あきらめる気配なし。
ディッパーとメイベルは双子だが、頭の出来はディッパーが一枚上手。ところが、なんとびっくり、身長はメイベルのほうが1mmも高いのであった。
メイベルやグラン大叔父にちびだちびだと馬鹿にされたディッパーは、グラビティー・フォールズの怪しさに頼ることに。グラビティー・フォールズ文書第3巻を調べると、森の中になにかしら怪しいものがあるらしい。
さっそく行って確かめようとしたディッパー。本に夢中で足元がおろそかになりうっかり転んで転がりついたその先はうっそうと茂った森の中のくぼ地。そこにいたのは、ミニチュア版に縮んだ掌大の動物たち。くぼ地に散らばる水晶。頭上から漏れてくる太陽の光がその水晶で分光され、赤と紫のその光を浴びると、なんと生き物が伸びたり縮んだり。
これだ。小さな水晶を拾って帰ったディッパーはさっそく懐中電灯に水晶をセット。これで伸び縮み自由自在。さっそく光を浴びたディッパーはメイベルよりちょっとだけ背が高くなって自慢たらたら。いくら馬鹿でもほんの半日で背が伸びるはずがないと気がついたメイベルは、ディッパー成長のいんちきを暴こうとするのだった、が。
一方復讐を狙うギデオン。ディッパーとメイベルの喧嘩の最中に、伸び縮み懐中電灯を手に入れ、ディッパーとメイベルを縮ませてしまうのであった。そのままギデオンにさらわれてしまうディッパーとメイベル。そして、この際スタンも縮めてしまえとばかりに、ミステリー・シャックに乗り込むギデオン。スタン危うし。シリーズ最大の危機を迎えたミステリー・シャックご一行様の運命やいかに。

まいどめちゃくちゃですね。でも今回もさまざまに伏線を張りめぐらせて(おおむね)隙のない(大体において)緻密なストーリー展開。唯一の問題はウェンディがでてこないことくらいだということにしておこう、そうしようそうしよう。

ところで、英語と日本語ではいろいろ言葉に違いがありますが、日本の兄弟姉妹、という言葉は英語にはありません。英語にあるのは「同じ親から生まれた男の子供」である brother と、「同じ親から生まれた女の子供」sister 。そして、brother sister の間柄であることを意味する、siblng。
つまりbrother sister sibling には、生まれの早い遅いという意味がありません。しかし、兄弟姉妹にはすべてに生まれの早い遅いという意味が含まれるため、誰が年長で誰が年少かが絶対に明確になってしまうということになり、双子であっても、兄弟姉妹の出生順がついて回らざるを得なくなります。
逆に、brother sister だけではどちらが年長年少かわからないため、英語では年長者には big または older 、年少者には little あるいは younger をつけて言い表します。つまり日本語の「弟」は英語では「little brother」=「小さいbrother」。メイベルが自分より1mm小さいディッパーを「little brother」といってからかうのには、頭の回転が速いため双子にもかかわらず常にリーダー風(兄貴風)を吹かせているディッパーに対して「弟」という意味と、「小さい=1mm背が低い」 という意味のしゃれになっているというわけ。
「フィニアスとファーブ」でも巨大化薬を飲んで巨大化してしまったキャンディスをさして、フィニアスが「彼女は姉(big sister)」と言い、自分の言った「big sister」のしゃれに気がついてくすくす笑う、というギャグがありました。日本語版では「姉」のあとそのまま「ビッグ・シスター」といって笑うのですが、こういうしゃれの部分は日本語になるとなかなか上手いこと表現できないもので、それはもう外国語の翻訳というものの宿命ですね。

そろそろ10月で、ハロウィン・スペシャルの季節が近づいてまいりましたが、「グラビティー・フォールズ」(こう書く時は、「アメリカ版」ということにしよう、そうしよう)も、設定は夏休みなのに無理やりハロウィン・エピソードをやるみたいだよ。なんでもありだから全然平気だね。