プロフィール

野に咲く一輪のタンポポのようにヒッソリ暗躍中!?
じゃ、ランク入りはダメじゃん。
と、今頃気付く大馬鹿者。

徘徊癖がありそこら辺うろつきます、ご注意ください・・・。(気にしないでね~)

投稿画像は『しぃペイントツール』が使用困難のため、市販ソフトを使用中です。

その時気分のイメージ一発屋。
ストレスが限界を超えると、やたらと裸婦に走りますのでご注意ください・・・。

基本、『こらぼ』は全て可にしてます。
ご自由に、いじりまくって下さい。(笑

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過去の日記

 
2013-08-03 01:51

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Good!
帰りのホームルーム少し前、U子が俺に駆け寄ってきた。
K子が居ないのを見計らって、耳元に話しかけてくる。

「あのね?
 いま、S美ちゃんのお姉さんが呼んでるんだけど・・・どうする?」

U子は同じO小学校出身のS美をよく知っている。
当然、S美の姉のことも知っていた。

大体、察しはついている。
S美姉妹はとても仲が良いので、予感はしていた。
おそらく、保健室での件だろう・・・。

「分かった、いま行くよ・・・。」

廊下に出てみると、S美の姉が待っていた。

「やぁ、しばらくぶりだね?
 もう生徒会に復帰はしないのかい?」

「お久しぶりです。
 もう基本が出来たので、私は必要ないでしょう。」

「そうか、残念だな・・・。
 後で少し、付き合ってもらえないか?」

「わかりました。」

「じゃ、私は先に校門前で待っているから。」

「何かあったの?」
U子がこそこそと聞きに来る。

「さぁ?分からないよ。
 先にK子を連れて帰ってくれるか?」

「うん、いいよ。」

あまりK子たちに心配をかけたくない。
これは、俺の問題だ・・・。

ホームルームが終わり、クラスメイト達が散っていく。

「じゃあ、U子ちゃん達と先に帰るね?」
女の勘なのか、K子は怪訝そうに俺を見た。

「ああ・・・。
 十分、気を付けるんだぞ?」

俺はK子たちを見送ってから、校門前に向かった。
そこにはS美のお姉さんが、既に待っていた。

S美の姉は男勝りで、絶えず優しい妹をかばっていた。
つまりS美をいじめた奴は、お姉さんにいじめ返されるのである。

ある意味、俺はS美を泣かせた。
当然の成り行きだろう。

「お待たせしました。」

「まぁ、歩きながら話そうか・・・。

 実は、いつぞやの晩に妹が部屋で泣いていてね。
 以来、元気もないんだ。

 事情を聴けば、君が妹を振ったらしいじゃないか。」

「ええ、そうなりますね・・・。」

「否定はしないんだな?
 なぜ妹を悲しませたんだい?」

「悲しませようとは思っていませんでした。
 しかし、結果的に悲しませてしまった。
 だからと言って、お姉さんに謝罪はしません。」

「なぜ?」

「これは私と妹さんの問題で、
 お姉さんが関わる問題ではないからです。」

「・・・・・・・。」

「正直、妹さんは気丈に振舞ってはいますが、根が優しすぎるんですよ。」

「なら、それで良いじゃないか?
 付き合いなさいよ、妹と。」

「それでは駄目なんです・・・、私の場合・・・。
 私の家は十数代続く旧家で、しかも総本家です。

 そして私は、総本家の当主になる人間です。
 当然、親類縁者が多いですから、
 それらを束ねていかねばなりません。」

「君の家は、そんな家柄なのかい?」

「そうです。
 ですから私は、周囲からの重圧に耐え、
 私と共に、一族を統括できる女性を選ばなければならないのです。」

「そこまで考えているのかい?
 しかしそれは、時代錯誤じゃ・・・。」

「でも、実際にあるんですよ。
 そういう世界が・・・。
 そして私は、そういう家に生まれ、育ってきたんです。

 真の強さがなければ・・・、優しさだけでは潰されてしまう。
 場合によっては、非情さも必要な世界なんです。」

「凄いな・・・、君は・・・。
 強い男だ・・・。」

「だから、仮に妹さんを迎え入れたとしても、彼女では自滅してしまう。
 そんな残酷なことは、私には到底出来ないのです。

 過去に、少しでも好意を抱いた相手でもあれば、なおさら・・・。」

「そうか、君は女性の事を真剣に考える、本物の大人の男なんだね?
 惚れた腫れたのぬかす、他のチャライ男達と全く違うよ。

 さすが私の妹だ。
 男を見る目は間違いなかったな・・・。

 私も君に、惚れてしまいそうだよ。
 君みたいな男と一緒になれる女は幸せだな?」

「褒めていただいて、ありがとうございます。」

「分かった。
 私からも妹を説得してみるよ。

 でも残念だな・・・。
 私は君みたいな男には、ぜひ義弟になって欲しかったよ・・・。」