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新着日記一覧

08月26日
11:58

毎度怪しいおはなしで飛ばしまくりまくる「Gravity Falls」。
アメリカでも子供向け「Xファイル」だ「スーパーナチュラル」だのと評判です。考えることはみんな一緒だ。

で、第7話。
一見参加無料に見えるパーティーで一儲けをたくらんだスタン爺さん(退出するのに15ドル取る。ひどい。)。ディッパーにとっては憧れのウェンディに愛を告白するスーパー大チャーンス。メイベルは、パーティーにやってきた町のガキンチョとティーン・エイジャーたちの中にトカゲ好きの巨体の女の子グレンダとその親友、東洋系のメガネの変人キャンディという「仲間」を見つけ親しくなる。ウェンディとダンスを踊りたいが客への応対で手の離せないディッパーは一計を案じる。ミステリー・シャック(スタン爺さんの店の名前)の事務室においてある半壊状態の古いコピー機は人間を複製することの出来る、クローン製造機だったのだ。これを使って・・・。一方パーティーに現れた町一番の「人気者」パシフィカ・ノースウエストとのパーティー・クイーンの冠をかけた戦いに名乗りを上げたメイベルは、歌にダンスに大ハッスル(死語)するのだが・・・・。

第8話
19世紀の中ごろにやってきた開拓者によって築かれた Gravity Falls の町。その祝いの祭りの当日にたまたま町に居合わせたスタン叔父とディッパーたち。19世紀当時の扮装に車の代わりに馬車と21世紀からタイムスリップしたかのようなありさまの町。実はメイベルの宿敵、パシフィカのノースウエスト家がグラビティー・フォールズの創始者だったのだ。ところがどっこい。ディッパーの手に入れたグラビティー・フォールズに関する文書第3巻には、ノースウエスト家には秘密があり、実際にグラビティー・フォールズを開いた人物は別にいると書いてある。そして添付された謎の暗号が書き込まれた紙切れ。これを手がかりに二人はノースウエスト家とグラビティー・フォールズ始まりの謎に迫るのだが、しかし、そんな2人の後をつけまわす影が。そして二人は思いもよらぬアメリカ合衆国の歴史の闇にかかわる重大な事実にたどりつくのだったという観ている方も予想だにしなかった一大スケールで展開する歴史ロマン巨編なのだった。

第9話
今度は安物のアトラクション遊具を大量に手に入れ、町外れの空き地にアミューズメント・パークを開いて一儲けをたくらんだスタン爺さん。
ディッパーはウェンディにいいとこ見せて愛を告白しようと企むが、逆にウェンディにボールをぶつけ、他の男といいムードになるきっかけを作ってしまうという大失敗。一方メイベルは、体重当てゲームで大好きな子豚を手に入れ大満足。そんな二人の前にけったいな丸坊主のタイムトラベラーが現れるのだった。失敗をやりなおしたいディッパーはタイムトラベラーからタイムマシンを失敬すると時空連続体に挑戦状をたたきつけ、運命との戦いを開始するのだったが・・・。

すごいなあ。やりたい放題だ。相変わらず脚本の密度が濃い。少々いい加減でも思いっきりふりまわす法螺話の楽しさにどっぷり浸かれますよ。それこそマンガの持つ楽しさの原点ですね。流石に第1話2話のようなアクション・シーンはないけれど、動きの演出は高いレベルで安定。新キャラも登場の第7話に、伏線収拾したかとみせかけてまた張りなおす第9話とまだまだこれからどんな展開がまっているのか予想つかないですね。
なんでも第1シーズンは20話の予定らしいよ。ディズニーチャンネルは他のTV局とちょっとエピソード数が違っていて、1シーズン13話で作られることが少なく、シーズンごとにエピソード数が違ってたりしますが、Gravity Falls はどこまでいくかな。今のところ通常の局でいう第4シーズン52話を越えたのは「キム・ポッシブル(全4シーズン87回)」、「フィニアスとファーブ(本国では第3シーズン終了ですが、その第3シーズンまでで90回以上。日本では現在87回まで放映済みで、第4シーズンも製作決定と最多エピソード数。てゆーかさ、夏休みは104日しかないんじゃないの?)」、「リセス 僕らの休み時間(最長全6シーズン65回)」、「ペッパー・アン(全5シーズン65回)」。ネタがネタだけにあまり長いシリーズにはならないんじゃないかな。でも「Xファイル」は9シーズン200話以上あるんだった。どうなるかなあ。

08月26日
09:54

The Girl Who Could Fly
author Victoria Forester 読了

Piper は空が飛べる。田舎町で農場を営む McCloud 夫婦、信心深く働き者の母に無口な父。二人の間に生まれた女の子 Piper は生まれたときから本能的に空を飛ぶ力を持っていた。普通の人にはない異質なその力を恐れた両親は町の学校にも通わせず、人前で決して飛んではいけないと Piper に言い聞かせていた。しかし、町の祭りの日、同年代の子供たちと初めて親しく接し、彼らに混じって野球の試合で外野を守った Piper は、フライボールをとるために空を飛んでしまう。騒然となる町の人々。ことの成り行きに不安を隠せない両親と Piper の前に、政府が派遣したチームと Dr.Hellion が現れる。Piper のような特殊な能力を持った子供たちを教育する施設I.N.S.A.N.E.に Piper を収容するというのだ。今のままでは町で暮らせないと悟った両親と別れ、Piper はI.N.S.A.N.E.へ。
遠く氷の大地の地下深くに作られたこの施設には Piper と同様に、普通の人が持たない特殊な能力、念力、超天才、超人的怪力、放電、などの特殊な力を持つ子供たちが収容されていた。そこで、Piper は、能力を制御し、普通の人間と同じような暮らしを送れるように厳しく教育されるのだった。だが、I.N.S.A.N.E.には Piper の知らない秘密の目的があったのだ。そして、特殊能力を持つ子供たちに、空を飛ぶ力を見せてしまった時から、Piper の運命は大きく動きはじめるのだった。

SFのテーマのひとつ、超人(新人類、あるいはエスパー)テーマの作品。古くは「人間以上」「オッド・ジョン」などで描かれた超人類モノの流れを汲む作品です。つまりいまどきのスーパーパワーをもった超人ヒーローものではない、ということ。生まれながらに持った力は、決して特別なものではなく、それこそがその人そのものではないのか、という主張は超人類テーマでは意外とありそうでなかったのではないか。冒頭から丁寧に書き込まれた日常描写が、空を飛ぶ人とはこの世界にとって何者なのか、を描くための下準備なんですね。特殊な能力ゆえにもっとも近しい社会、家族からもドロップアウトせざるを得なかったI.N.S.A.N.E.の子供たち。しかし常に前向きで、自分を信じる Piper の出現で彼らも変わっていく。
ちょっと前に読んだ日常の中にある超能力という「 Savvy 」よりも超能力者対社会という昔ながらのテーマ色が強いSFらしいSF。子供たちが動き出す中盤、I.N.S.A.N.E.の本当の目的、最後の戦いへとスピードアップしていく後半は面白いですよ。そしてPiperたちの自分であり続けるという戦いはこの物語だけでは終わらない(決して第2巻に続くとかそういう意味ではなく)というエンディングもよかった。それでちゃんとお話はまとまって終わっていますからね。でも、第2巻が出ても全然おかしくないなあ。どうなんだろうか。


以下ちょいネタバレ。
なので今後この本を読む気になった人は読まないように。








人間だけでなく、地球上のあらゆる生物が進化の過程として超能力を身につける可能性を持ち、実際そのようになっている、というのは結構いいアイディアだなと思いますね。ほとんどの新人類テーマでは超能力を持つのは人間の次の進化だという前提に立っているので、この発想はありそうでなかったのではないか。たまに、類人猿や海洋哺乳類がテレパシーなどの超能力をもつというものはありますが、超能力を持つのは地球生物全体がもつ突然変異の可能性だ、というのはあまりお目にかかったことがないと思うなあ。そういう意味でもこの小説は子供向けとはいえ立派なSFなのだった。