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2012年10月18日 10:32

洋書読み

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Good!
Schooling Around Treasure Fever!
author Andy Griffith

Northwest Southeast Central 小学校にやってきた5年生の代理代理教師、Mr,Brainfright 。教科通りの勉強はそっちのけのおかしな授業にクラスのみんなは大騒ぎ。同じ日、あらぬ疑いをかけられ校長室に呼び出された Henry は、 Greenbeard 校長から、Northeast Southwest Central 小学校に宝物が埋まっていることを知らされる。校長先生がこの学校の生徒だったとき仲間と埋めた海賊(ごっこ)の宝物。しかしある日宝は何者かによって盗まれ忽然と消えたのであった。そして遺されたのは盗んだ者の残した謎のメッセージ。そのメッセージをもとに、Henry は仲間たちと埋もれた宝を探すことにしたのだが、仲間だけの秘密の誓いもどこへやら、あっという間に宝のことが知れ渡り、学校中で宝探しの大騒ぎになってしまう。相変わらず変な授業を続ける Mr.Brainfright や、隣のクラスの Mrs.Cross も巻き込んで、はたして Henry は失われた宝物を見つけることができるのか?

何十年も前に消えた当時の子供たちの宝物、ということで、いい大人であるわたしなどにはすぐにストーリの流れやオチがばれてしまうようなお話ではあるんですが、いやしかし、十分面白かった。物語とは単にストーリーやプロットだけでなく、語り方であり、キャラクターであり、どんな視点から見ることができるのか、というものであることを知ることが出来る作品のひとつ。
Mr.Brainfright の出した問題のどうでもいいことにいちいち疑問をあびせる子供たちと Mr,Brainfright の台詞の応酬も楽しい。キャラクターの行動や、そのキャラクターのいいところがそのまま悪いところにひっくり返ったりと、ある意味ステレオタイプなキャラクターをそろえてあるんですが、それでもそれぞれのキャラクター描写が的を射ていて面白い。ストーリーのオチだけでなく、どんな風に終わりを締めくくるのか、という部分も良く出来ている。そのままカートゥーンにして放送されてもいいくらい。読んでいる間、ずっと「ランディ・カニングハム」のキャラのイメージ(ランディは高校生という設定で、キャラクターの性格設定なども違います)が浮かんでしょうがなかった。
日本では漫画が果たしている役割を、欧米ではこういう児童文学が果たしているというのが良くわかる、よくできたコメディ作品でした。

ついでに、洋書は表紙買いもすることにしているというのを前に書きましたが、この作品も Amazon をうろうろしていて見つけたまったく知らない作家の本なのに、表紙のサムネイルで主人公 Henry の横にいる Jenny (という作品に登場するキャラクターとおもわれる) の絵で買うことに決めたという、わりといい加減な買いかたをしたんですが、中身には十分満足しましたよ。