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2012年10月15日 01:15

洋書読み

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Good!
Enchanted Glass
author Diana Wynne Jones 読了

祖父である魔法使い Jocelyne Brandon が亡くなって、その館と彼の field-of-care を受け継いだ Andrew Brandon Hope は、勤めていた大学を辞め、これを機会に暖めていた本の執筆をはじめようと、まだ幼いころの一時期祖父と暮らしていた Melstone House にやってくる。しかし、彼が受け継いだのはただの土地と館だけではなかった。
一方、両親はすでになく、祖母と暮らしていた少年 Aidan は、祖母が亡くなった後、何者かに追われていることに気がつき、祖母のつてを頼って Melstone House へやってくる。Andrew は、Aidan を保護することに。
Andrew と Aidan は、firld-of-care の境界線を見極めようと探索して回るが、森のなかで Mr. Brown なる人物が勝手に鉄条網を張り field-of-care の一部を占有していた。怒った Andrew は Mr.Brown の館に乗り込むと、逆に Mr.Brown は Melstone の土地の所有と、メルストーン村の村人の立ち退きを要求してくる。
そして Aidan を命を狙う追っ手が、Melstone にやってくる。なぜ彼は狙われるのか。Mr.Brown の目的と正体は。魔法と謎が絡み合って事態はとんでもない方向へと進んでいく。

ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説は、洋書多読をはじめるまえから翻訳で結構読んでいたので、本屋とアマゾンで売っている未読のものになかなか行き当たらなかったんですが、前のEarwig and the Witch 以来やっと発見。今度は幼年むけではなく、クレストマンシー・シリーズのような児童向け。
家具の配置にうるさく、Andrew が勝手に動かした家具をすぐまたもとの位置にもどしてしまう、食事というと同じものしか作らない通いのまかない兼家政婦のMrs.Stock に、館の菜園で、大量多種の野菜を作りまくる通いの農夫 Mr.Stock。メルストーンの村は大半の人が Stock 姓。Mr.Stock が館に運び込む大量の野菜を一晩のうちに平らげてしまう、謎の存在。Mr.Stock の兄弟で元ジョッキーの Tarquin の、有能で美しい娘 Stashe は Andrew の秘書として館にやってくる。Mr.Stock の姉妹 Trixie の息子、Shaun は、働き口をもとめて Melstone House にやってくるが、大きな体で一見知恵遅れのように見えてなんでも修理する天才。いつものダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品同様、一筋縄でいかないキャラクターがぞろぞろ。魔法の働き方も面白い。イギリスの妖精譚の世界観を下敷きに、ちりばれられた笑いに一見不可解なシリアスな状況、あちこちに張られた伏線と謎がクライマックスへと一気になだれ込む、DW・ジョーンズ節はいつもの様に絶好調。現代イギリスにも十分魔法が生きていると感じます。面白かった。