Tales of Terror from The Black Ship
author Chris Priestley 読了
長い年月波に洗われた断崖の上に建つ古い旅館に、父と暮らす Ethan と Cathy。あるひどい嵐の夜、病にかかった2人が目を覚ますと、宿には父の姿が見えない。2人のために村へと医者を呼びにいってくれたのだろうと父の帰りを待つ2人だが、そんな時若い男が宿を訪れ、2人は嵐の中に放っておくこともできず中へ招き入れる。そして Thackeray と名乗ったその男は、嵐が吹きすさぶ夜の間に船乗りたちの怪異談を2人に語って聞かせるのだった。
幽霊あり、呪いあり、モンスターありとバラエティにとんだ海洋怪談集。一応子供向けとはいえ、いずれも奇妙な味わいの残酷な怪異談となっていてたいへん好ましい。
ただ、怖い話りのムードを出すためか形容詞がやたら多いので、知らない単語が結構出てくるのがちょっと困りましたが、お話そのものは面白く読めました。古い帆船時代の船の様子も、「ホーンブロワー」や「ボライソー」シリーズを読んで知っていたことが役に立った感じ。
以前に読んだ同じ作家の「Uncle Montague's Tales of Terror」と同じく、ひとつのストーリーが終わるたびに全体を通してのもうひとつのストーリー が明らかになっていくというスタイル。この「Black Ship」の方が第1巻だったらしい。さらに続巻も出ていて、そこまでの3冊は翻訳書も出ている様子。そのうち第3巻の「Tales of Terror from The Tunnle's Mouth」も読むつもり。さらに新しい本も出版されるようなので楽しみ。