タイトルを正確に表現すると「僕らの見方」となります。
今月は日本映画専門チャンネルで「鋼鉄の巨人」特集です。
「鋼鉄の巨人」は「こうてつのきょじん」ではなく「スーパージャイアンツ」と読みます。
日本SF映画黎明期のころの作品で、宇津井健主演のスーパーヒーローSF映画。映像化された日本初のスーパーヒーローといわれています。
なんせ1950年代のおはなしです。
「鋼鉄の巨人(スーパージャイアンツ)」は地球の平和を守るため宇宙のあっち方から飛んできた無敵のスーパー宇宙人。普段は颯爽とスーツを着こなすダンディなそこいら辺のおじさんに身をやつして悪のたくらみを探偵し、いざとなるとスーパージャイアンツとして、さっそう悪に立ち向かうのでありました。ありがとうスーパージャイアンツ。日本の偉い人も良い子のみんなもみんな感謝しているよ。
そんなスーパージャイアンツなんですが、いま天文学の先生が、空飛ぶ円盤を見たわ、スーパージャイアンツのおじさんが地球へ来ているんだものきっと悪いことが起きるわ、とか子供たちが言ってるのを聞いて、「いいかい君たち、円盤なんてものはみんないいかげんなでたらめなんだよ」とかいいやがりますのですよ。あんた、スーパージャイアンツが宇宙のあっちから日本に来てるのにその言い草はねえだろ(すでに一度地球で活躍したスーパージャイアンツの存在は一般的に知られているから)。
しかしこの手の台詞(物語り全体から見ればその設定そのものを否定してしまうようなおかしな台詞)は意外と今でもあったりするので、昔の映画とわらってもいられないのであった。
「鋼鉄の巨人(スーパージャイアンツ)」自体は意外とまじめに作ってあって、お金もそれなりにかかっているし、まともな映画だといえる(かもしれない)んじゃないかな。第1・2話は強力な水爆を製造し世界征服を狙う悪のアトム団の陰謀をくじき、今日やってる第3話では地球侵略を狙うなぜか集団で意味不明な南国のファイヤーダンスや前衛モダンバレエを踊りまくる悪辣な宇宙人を相手に日本の子供たちの平和を守るため戦うのであった。頼むぞジャイアンツ。なぜ、ジャイアントではなく、ジャイアンツなのか、というのはよくわからないけどね。なにしろ相手はほら、宇宙人だし。