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2012年01月17日 23:14

アメフトルールこれ簡 その4

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Good!
なんとなくあのごちゃごちゃっとプレーヤーが団子になってボールを追いかけて鬼ごっこするアメフトが、どういう目的でプレーしているのかわかってきましたか?

基本は「ダウン」です。
攻撃側はまず「ファーストダウン・10」の状態からはじまり、4回の「ダウン」で、10ヤード以上をゲインして新しい「ファーストダウン」の獲得を目指しましす。
守備側は攻撃側の選手の「ラン」による前進を「タックル」によって阻止します。「ラン」する選手以外の攻撃選手は守備選手を「ブロック」して「ラン」選手に対する「タックル」を防ぎ、「ラン」による前進を助けます。
パス攻撃に対しては「パッサー」にたいする「パスラッシュ」で対抗し、パスが投げられれば、まず空中にあるうちにボールに触れることで「レシーバー」がボールを「キャッチ」することを阻みます。レシーバーがボールに触れればこれに対して「タックル」し、キャッチを阻みます。レシーバーがボールをキャッチすれば「パス」成功、でその地点までゲインしたことになり、守備側はレシーバーの「ラン・アフター・キャッチ」を防ぐために「タックル」して「ダウン」させようとします。パスをキャッチしたレシーバー以外の選手は「タックル」を防ぐために「ブロック」で、レシーバーの「ラン・アフター・キャッチ」を助けます。
こうして攻撃側は「ファーストダウン」の更新を続け、最終的に相手チームの「エンドゾーン」にボールを持ち込むことで「タッチダウン」を奪って得点します。
守備側は「ファーストダウン」の獲得を阻止することで、最終的には攻撃チームの「タッチダウン」を防ぎ、攻撃権を奪い取ることが目的です。

試合は「キック・オフ」から始まります。「キッキングチーム」の蹴ったボールを受けた「リターンチーム」の「リターン」が最初のプレーです。
「リターン」が止まった位置から、スクリメージラインを挟んで「攻撃と守備」のプレーが始まります。「ファーストダウン」が更新できなければ攻撃チームは攻撃権を放棄、「パント」で自陣のエンドゾーンから相手チームを遠ざけます。相手エンドゾーンが近ければ「フィールド・ゴール」での得点を狙います。しかし攻撃側としては相手エンドゾーンにボールを持ち込んで、「タッチダウン」による得点を挙げることが最も重要な目標になります。
「フィールド・ゴール」あるいは「タッチダウン」で得点すればそこで攻撃側のプレーは終了し、得点したチームの「キックオフ」から今度は相手側の攻撃が始まります。

これが基本的な試合の流れです。

アメリカンフット・ボールは時間制限のあるゲームです。
基本的にひとつの試合は60分。
これを15分づつ4つに区分し、ひとつの区分を「クウォーター」と呼びます。最初のクウォーターから順に「第1クウォーター」「第2クウォーター」「第3クウォーター」「第4クウォーター」といい、「第1、第2クウォーター」が前半、「第3、第4クウォーター」が後半です。前半と後半の間にはインターバルが設けられています。
また試合開始の「キックオフ」は前半第1クウォーターのはじめと後半第3クウォーターのはじめに行われます。第1から第2クウォーターおよび第3から第4クウォーターへ移る時は、エンドゾーンの入れ替えつまり攻撃方向の入れ替えのみがおこなわれ、プレーそのものは続けて行われます。後半開始時にもエンドゾーンの入れ替えが行われ、「キックオフ」は前半の「キックオフ」での「リターン」側と「キック」側も入れ替わってプレーします。つまり前半開始時に「キックオフ」でキックしたチームが後半開始時にはレシーブするわけです。
試合時間合計60分の間に、より多くの得点を挙げたチームが勝利することになります。

アメフトはサッカーやラグビーと同様の時間制限型のゲームですが、アメフトでは時間を減算していきます。つまり開始時間からどれくらい経ったかではなく、残り時間がどのくらいかでプレー時間を計っていきます。各クウォーターは15分なのでこの15分からクウォーターごとに時間を減算していきます。0になればそのクウォーターが終了します。第4クウォーターの残り時間が0になれば試合終了です。

アメフトを時間の面から見ると、どうやってプレー時間をコントロールするかというゲームであるといえます。
つまりリードしているチームは残り時間が早くなくなってくれればそれだけ勝利に近づくことになるし、負けているチームは、残り時間内にどうやって逆転するかを考えてプレーすることになります。
アメフトでは、ラグビーやサッカーのようにずっと時間が流れていき、最後にアディショナル・タイム(いわゆるロス・タイム)を加算するということはしません。
アメフトにはそれぞれのプレー終了時に時間が流れたままになるものと、プレー終了時に時間がとまるものとがあり、これらのプレーを選択して残り時間をコントロールしていきます。
リードしているチームは時間が流れるようにプレーし、負けているチームは時間をとめながらより多くの攻撃機会が得られるようなプレーを選択していきます。

また、プレーとは別にチームは「タイムアウト」という時間の進行をとめる権利を前・後半それぞれ3回ずつ持っています。時間に余裕のある段階では次のプレーの作戦を検討するときに使われますが、残り時間が少なくなると、任意の時点で時間を止めるための手段として使われます。

獲得するべき得点、あるいは守るべき点差と残り時間との兼ね合いが重要な戦略ポイントになるというのは、アメリカン・フットボールの持つスペクタクル性を高める要因になっていますし、残り時間をコントロールできるというのはアメフトだけの非常に特殊なルールであるといえます。