タイトルでお察しの通り、ちょっとばかり不満を述べたいと思いますのでそういうのがダメな方はそれなりの行動を。
昨日の日曜日。ファミリー劇場で、ウルトラマンデジタルリマスター版が第1話から13話まで、一挙放送されました。
ウルトラマンといえば、日本が世界に誇る特撮ヒーロー。巨大宇宙人がこれまた巨大な怪獣と戦い地球を守るという他にほとんど例をみない素晴らしい作品です。わたしの子供時代は怪獣とともにあったといっていい、その怪獣生活の中心がまさにウルトラマン。ほかにも中心といえばゴジラとか、サンダーバードとかあったけど、それはまたそれ。あとアニメもね。ま、子供なんてそんなもんだ。
で、デジタルリマスター版。エッジもきりりと色もくっきり、美しい。当時の(我が家は白黒テレビだったので最初に観たのは白黒だったけどね)思い出が蘇るとはこのことだ。LDでも観たけれど、あきらかにこっちの方が綺麗。リマスターされた職人さんにはご苦労様でしたと、もしかしたらソフトが勝手にやっただけなのかもしれないけれど、そしたら、そのソフトを開発した方にご苦労様でしたと、こう申し上げたい。
だが、だがしかし、決して手放しでは喜べない事実が。
それは、効果音だ。効果音。効果音だよ、なんだこれふざけんな。
東宝特撮円谷作品といえば、オリジナリティにあふれた数々の名効果音の宝庫。当然ウルトラマンもそれらの効果音にあふれ、ウルトラマンの世界観の構築に大いなる貢献をしていたわけですよ。ところが、ところがだ、このデジタルリマスター版。オリジナルの効果音の上にふざけたへなちょこ雑音をかぶせてある。あれが効果音だなどといったら、まともな神経をもっていたらチャンチャラおかしくて指差して笑っちゃうって感じだ。雑音だ。
どうです?考えてみてよ。デジタルリマスターだからって、ウルトラマンのデザインが気にいらないから、ちょっとCGで顔の形変えちゃえ、赤いラインを青にしてみたらたいいんじゃね、なんてことされたら、どうよ。ええ?ジェットビートルじゃだめだから、ガンプラモドキのモビルスーツみたいなメカに差し替えちゃおうぜ、なんてされたらどうする?ハヤタ隊員の顔を○○君に変えて今時のギャル(死語)にもアピールですよ、なんてことしたら?ムラマツキャップの顔を立花のおやっさんに、そりゃいっしょか。
とにかく、効果音もデジタルリマスターでよりクリアに原音に忠実に、さらにステレオ化、深みを増すためにイコライザーで調整、どうにも納得いかない部分は新たに原音のイメージを最大限に生かして作り直し、とかならわかる。でも、ふにゃふにゃな似ても似つかないセンスゼロの雑音をかぶせるなんて、最低だ。酷すぎる。いったい何を考えてあんなまねをしたのか。問いただしたいくらいだ。
もしかしたら、今はじめてみるちびっ子たちには関係ないじゃん、て考えなのかもしれないが、それじゃ過去の作品に対する敬意の念とかゼロなんですかね。過去の作品なんて楽してお金稼げればそれでいいじゃん、ってそんなことなんですかねえ。悲しいことですねえ。
そういうひとたちはデジタルリマスターのマスターピース、「宇宙大作戦スタートレックデジタルリマスター版」でも観て猛省してもらいたい。でもそんな人はスタートレックなんか観ないか。観ても理解不能か。
日本の映像作品には結構音に無頓着な作品がありますね。どうなってるんでしょう。映画なんて、総合芸術とかいわれてるのに、音のセンスがあきらかに欠如している作品がありますね。そんな作品にあたるとけっこうがっかりです。
ウルトラマン・デジタルリマスター版、まさに画龍点睛を欠く。せっかくのウルトラマンの活躍も、科学特捜隊のスーパーメカも、すっかり台無しですよ。いやまじで。
もちろん出来る限り観たけどね。ええ、観ますとも。ぴこぴこ効果音にもだえ苦しみながら観ましたよ。一挙放送だけじゃなくて週一の方もみてますよ。しょうがないじゃん。でもあれですね。さすがに今観ると、ウルトラマンや怪獣、世界観のセンスは最高だけど、つーか明らかに現代のウルトラシリーズより出来がいいですが、さすがに脚本がなあ。ウルトラセブンもね、ちょっとこれどうなのみたいなお話もありますよね。でもそれはそれとして、はるか昔の作品なんだしね。その辺もふくめて楽しめますね。
来週の一挙放送にはわたしのフェイバリット、アボラスとバニラのエピソード「悪魔はふたたび」が。楽しみだなあ。