Goblin Secrets
author Wiliam Alexander 読了
人々が、他者を演じることが禁じられた街、ゾンベイ。孤児ロゥニーは、魔女グラバの元で兄ローワンや他の同じ境遇の子供たちとともに使い走りとして最低の暮らしをしていたが、ある時から兄ローワンは行方知れずになってしまっていた。ロゥニーはグラバの使いとして街へ出たある日、ふとしたはずみで、ゴブリンたちの仮面劇に加わってしまう。ゾンベイの街では他所から来る旅のゴブリンたちの一座のみが演劇を許されていたのだった。これをきっかけにロゥニーはグラバに背き、グラバの子供たちと使い魔である鳩たちに追われる身になるが、彼が参加したゴブリンの一座が彼をかくまってくれるのだった。ロゥニーはゴブリンたちと共に兄ローワンを探す決意をするのだったが・・・。
巨大な川で南北に分かれたゾンベイの街。雑多な人々が住む騒然とした南は魔女グラバの領分。市長はじめ権力者や上流階級が住む北。南の住人は北へは入れず、機械の体の市警が常に南を警邏している。機械技術と魔法の入り混じった奇怪な街のイメージがいい。しかしまあ、あちらの人は次から次へと異様な世界(ほめてます)をつくりだすものだと、ほとほと感心します。魔女グラバの元から離れ、その追跡をかわしながらこれまで知らなかった街の秘密に迫っていくロゥニー。しかし、しかしだ、これまたブック1なんだな。世界観はめちゃいいんだけど、やっぱり第1巻だけじゃ消化不良だ。続巻を待つ。