「でも私はね・・・、裏方でも凄いと思うの。
だって、私たちの学校の基盤を作ってくれたんでしょ?
やっぱり凄いじゃない・・・。
もっと自信持ちなさいよ。」
そうか、K子ってキツイ性格の割に、意外と優しいんだな・・・。
「ありがとう。
そう言ってくれて、とってもうれしいよ・・・。」
俺はもう、誰にも評価される事は無いと思っていた。
でも評価してくれる人間がここにいた・・・。
それだけで十分なのだと俺は思った。
「ねっ?
もう役職には就くつもりはないの?」
確かに生徒会残留を望む声もあったが、毎年人員は入れ替わる。
新しい人間、新しい考え方・・・。
それらを阻むことはしたくなかったし、介入するべきではないと判断した。
それは初代生徒会会長の意志でもあり、我々初期執行部全員の意志でもあった。
「俺たち初期執行部の仕事は、もう終わったんだよ。
これからは新しい生徒会が新たに作り上げていくだろう。
邪魔はできないよ・・・。」
「そうなんだ・・・。」
K子は残念そうに俯いた。
「でも、ありがとう・・・。」
俺は初めて、K子に感謝の言葉を口にした。
K子はその言葉に、微笑みで答えた。
なぜだろうか?
K子がいると素直になれる自分がいる・・・。
いや、安心する・・・。
なんだろう?この安堵感は・・・。