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08月20日
20:01

Earwig and The Witch
author Diana Wynne Jones 読了

Earwig は、赤ん坊の時一枚の置手紙と共に St.Morwald's Home に預けられた孤児。彼女の望みは大の親友 Custerd といっしょに、いつまでもこの孤児院で暮らすこと。里親探しの日、孤児院には子供を引き取りたい里親候補の大人たちがやってきて子供たちを物色するのだが、Earwig はどうすれば選ばれないかを心得ていた。しかしその日やってきたおかしな2人に Earwig は里子に選ばれ、孤児院のある通りのすぐ先の家に引き取とられていってしまう。背の高い角のように尖った耳の男 Mandrake と背の低い右目と左目の色が違う老婆 Bella Yoga 。二人に連れられてやってきた小さな家はしかし、出口のない不思議な家だった。そう、Bella Yoga は魔法の薬と呪文を使う魔女で、Earwig を使用人としてこき使うつもりだったのだ。しかし、Earwig はおとなしく言いなりになるような女の子じゃあない。彼女には彼女の考えがあったのだった。

先ごろ惜しくも亡くなった英国ファンタジー界の大御所、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの児童向けファンタジー。ダイアナ・ウィン・ジョーンは多くの児童向けファンタジーを書いていますが、この作品はそのなかでも低年齢層向き。ストーリーは余計な部分を徹底的に削り落とした必要最低限のエッセンスだけで構成されていながら、それでも、主人公 Earwig や、魔女 Bella Yoga 、正体不明の悪魔 Mandrake など、、十分奇妙なキャラクターを描き出しているのはさすが。いつもの長編で見られるキャラクターの視点を変えることでのどんでん返しこそないものの、Earwig の行動が意外な結果を迎える終盤の展開もさすが。魔女と対決する少女のお供といえば猫ですが、ここでも猫が重要なキャラクターで登場。そしてなにより、主人公の、たいしてかわいくもなく歯並びが悪くてわりと自己中心的だけど、何事にも平気で前向きに取り組む Earwig がいい。そして、エンディングもなかなか素敵な終わり方でした。