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10月11日
02:00

スタート直後の混乱はあったものの、チャンピオン争いはハミルトンのトラブル以外たいしたこともなく進んだ感じですが、その分小林可夢偉選手が一人でもりあげてくれた感じですね。
ヘアピンでの追い抜きははるか昔、ITCを鈴鹿に見に行った折、メルセデス・ベンツのダリオ・フランキッティ(今年、IRLでチャンピオンとりましたね)が、一人でガッツンガッツンいわしてヘアピンでオーバーテイク、場内アナウンスに「これはもうむちゃくちゃだ~」と言わせたあのシーンを思い出さしてくれました。結果も、上位5台とシューマッハーに続く7位はストレートが絶望的に遅いザウバーでは最高の結果といえるんじゃなかろうか。ヘアピンでちょっと譲ってくれたみたいなハイドフェルドにも感謝。あまりにもスピードが違うので、無理に抵抗するより抜かせるのが正しい選択でしょうしね。山本左近選手もきっちり完走。よかったよかった。

TVのアナウンスでは小林選手が鈴鹿をほとんど走ったことがないとまるで不利な条件であるかのように言っていましたが、それこそ望むところでしょう。たとえ鈴鹿でも他の選手と条件は一緒。世界中回って一年に1度走るサーキットで速いことがチャンピオンへの条件なんだから、それでいいんですよ。鈴鹿でだけ速いドライバーなんて意味がない。「鈴鹿でも」速い。小林選手は本当に速いということですよ。
かつてミハエル・シューマッハーはF1に行く前、日本F3000にスポット参戦し菅生サーキットで一度だけレースを走った経験がありますが、あっさり2位を獲得してしまいました。初めてのサーキットで初めてのマシンに乗り、いきなり速い。これがチャンピオンになるための速さということでしょう。
そんなわけで、小林選手には可能な限り速く走ってもらいたい。良いチームからオファーがあれば迷わず進んで欲しい。目指すのはチャンピオン。長年のF1観戦者の気持ちです。

もっとも、日本人が戦っているモータースポーツはF1だけじゃないので、そっちの方ももっと応援があればいいな、みたいな。

ところで、TV中継で解説の森脇元康さんが小林選手の走りに感涙しているというくだりがありましたね。気持ちわかるなあ。実はあたくしん家には1976年F1選手権inジャパン(こういうタイトルのレースだったんですよ。GPのタイトルは国内レースで使ってしまっていたから)のTV放送の録音テープがレース終了間際の15分くらいの部分が残っていて、そのときのピットレポートが森脇氏だったんですよ。「はーい、森脇でーす」と今と変わらぬ森脇節。76年のレースでは日本オリジナルシャーシのコジマke007の長谷見選手とマーチに乗った星野選手がスポット参戦。特にコジマは速く、期待されたものの予選でアクシデントに見舞われれて、決勝ではなんとか完走という結果に。このへんからすでにF1にあっては、速いはずなんだけどどうしても運がない結果が出ない日本人ドライバー(たまに速いけど、安定しない)、というのが呪いのようにつきまとっていたんですね。それからうん10年。とうとうここまで来たんだなあ、と。でもまだまだ先は長いんでしょうね。森脇氏もおっしゃってましたが、これからですよ。ここからなんですよ。