プロフィール
自分は小説メインです。
お絵描きは「イメージを掴む為」ラフ画で止まってること多々。
文・画、共に停滞←
新着日記や新着イラストから、やたら足跡&コメントを残します。
しかも深夜に。
それを辿ってでしょうか?今こちらをご覧の皆様、ようこそおいでくださいました。
中近世欧米の文化レベルを基にしたRPG風ファンタジーの日常、
を謳ってます。
あんまり公開してないので、内々にしか知られてない状態。
初めて触れる人にも解り易くしようと、改変中。
文章及びキャラ設定は↓こちら(外部SNS)
http://www.dnovels.net/users/detail/7766
ちぃ内キャラ説明は
http://chixi.jp/?m=pc&a=page_fh_diary&target_c_diary_id=8...
ここに置きました。
雑談とかでもして頂けるととてつもなく嬉しいです(チャット状態とかでも歓迎)。
私本体は、RPG好き。FF派です。4~9・T。DQはやってない。
クロトリはやったんだけどね。
テイルズは、PDESV辺り解る。
音楽は、バッハ、ヘンデル、ハイドン、ベートーベン、ラフマニノフ辺りが好き。
現代邦楽ならV系、マリス、JDA、ABC。中森明菜(唐突?)。
アリプロや妖精帝國、東方とか。
各キャラのイメージ戦闘曲として紹介させて頂いてるのはGodspeedさんの楽曲です。
得意分野は語学。
国語では98取ったのに化学が13という、極端な文系脳。
魔法使いになる為に化学勉強中。中1の第一分野で躓いた(爆)
好きな文学は…
源氏物語ですね、やっぱり。
あと、ライトノベルは、スレイヤーズ。オリキャラ作りのきっかけに、そして私の人生踏み外すきっかけになった作品。
BL、GL、擬人化、割とOKです。割と、っていうのは…何か、一部NGなものがあるようで(たま~に引っかかる)。いや、多分、何でも食べます。
ただ自分では、その路線をあまり書きません。因って誰か描k――
日記は、小説関連を除けば、多分勉学面が多いと思います。
中間・期末テスト時期になると叫び始めます。
休日は図書館に居るか家で伸びてるかのどちらかです。
リアルに友達が少ない。
プロフィールはちょくちょく改変(追記?)します~
日記一覧 (2013年12月)
2件中 1件〜2件を表示
21:33
ヴィルト vs ウェルツ 6
▼ヴィルトVSウェルツ▼
砂煙の裂け目からヴィルトが飛び出した!
ウェルツは薄く嗤う。
「成程、“いかにも貴様らしい思考だな”」
――だが、そうさせたのは俺ではなく今の貴様を支配している存在だ。
ザァッ!
刀が届く直前素早く身を翻し回避すると、目前に流れた銀髪を右で乱暴に掴み引っ張り上げる。
一抹の迷いも無く、その髪を切り落とすつもりかヴィルトは身を捻ろうとするが、
「ククッ、俺に背いた愚か者にフィナーレをくれてやるわ――!!」
疲労が故か遅れた反応を見逃さず、左手で額を鷲掴みにすると
ゴグァ!!
鬱憤を晴らすが如く、勢いのまま後頭部を床に叩き付けた!
「……か、は……っ」
声にならない叫びの直後、ヴィルトの全身から力が抜け、
(敵わ、な――……)
カラン、と、刀が、
その意識が、落ちた。
競奏曲についぞ訪れた、Fine(終止)――そして…
「気を失ったか」
――ヴィルトゥオーソによる独奏が始まる。
見下ろしながら、ウェルツは呟きを漏らし微笑んだ。
「これで解っただろう?所詮、無理を押しても粋がっても、貴様の脆弱さゆえ全て泡沫に帰すということがな」
ヴィルトに身を寄せて、顔を覗き込む。
鮮血で彩られた、気品のある端正な顔立ち。
美しい銀色の髪を軽く指で弄りながら、伏した身体を無造作に起こす。
「この程度で一体何を守れる。今の貴様は己が身さえ満足に保てんだろうが」
近場に転がる岩の残骸にもたせかけ、
「ただ良い様に喰われるだけだ」
頬を伝う血へ舌を添わす――…そのままゆっくりと下へ向けて這わせ、喉に差し掛かかった時、欲望のままに鋭利な牙を突き刺した。
柔らかな皮膚が破れ、熟した実が弾けたように、どろり、と生暖かい蜜が口内に流れ込む。
――…クン……ゴクン…
喉を鳴らして体内に流し込む。その音が響く度に、脳は快楽に酔いしれ理性を削ぎ落していく。
止めどなく溢れ出る渇望…それが満たされる快楽に溺れた彼は、もう、止まらない。
「――おい…さっさと目を醒まさんか。目を閉じた所で逃がしはせん、もっと俺を楽しませてみろッ!」
理想の獲物を眼前に豹変し、乱暴に首を締め上げて再び床に叩き付ける。
「もっと――貴様の戦慄を聞かせろッ!喚声を上げんか!!」
押し倒すと指をヴィルトの口へ無理矢理捩じ込み、牙は腹部の傷口に容赦なく喰らい付く。
意識を取り戻したかただの反射か、ヴィルトが咽返る。
弾みで腹部から流れた血が、よりウェルツの渇きを潤す――
「まだだ…もっと出せるだろう!?」
欲望に底はない。ヴィルトの衣服に手を掛け――
――ビリリリ!
中途半端に回復を掛けたのが仇になったか、乾いた血で張り付いた衣服を無理矢理引き剥がし左肩を露わにする!
再び傷に血が滲んだ。
「――っ……」
闇から引きずり戻されるように目覚めたヴィルトには、世界がくすんで映った。
眉を顰め、焦点を合わせると、視界より早く回復したのは体の感覚。
捕食される痛みと、挫折と……敵愾心。
意識を取り戻したことに気付かず未だ血を貪る吸血鬼に、ゆっくりと手を伸ばす。
なけなしの力で、その青い髪を掴む。
「――っ!?」
唇を離し、こちらへ向けたウェルツの目は、赫く澱んで。
こめかみから頬へ、腕の重さに任せ、首元、肩、と順に撫でるように色を染め変える。
「……この、血が……好き、なんだろう……?」
相応に気に入りらしいその髪を、いい気味とばかりに汚してやる。
束の間その行為を凝視していたウェルツの口元が、にたりと不気味に嗤った。
シャッ、と爪を伸ばし右腕を大きく振り上げ、
ドシュ!
左肩の生々しい傷口の上から強引に指を捻じ込ませた。
「~~~~っ!!」
きつく目を閉じて、苦悶の表情。
既に喚き立てる余力も残っていないのは承知。だからこそ、それ以上の反応を無理強いてしまう。
そのまま手首をじりじりと捻り、握るように傷口の内部に爪を立てると、耐え難い感覚に上体がびくん、と跳ねた。
この反応が、堪らない。
「…クク…フハハ…」
漏れる声は快哉に震える。
ズルリと引き抜くと、後を追うように血がとろりと溢れ、鎖骨へ流れた。
拡げられた傷口を指で弄びながら、鎖骨から首に掛けてを舌でなぞる。
牙から逃げるように体をずらすヴィルト。すると左手の傍に先程のダガーが転がっていることに気付いた。
指で引っ掛け、どうにかその手に乗せる。
(……握る力も、もう無いか……)
左手の袖には、そうだ、後一つ、風の魔石が残っていた。
夢中で首に喰らい付くウェルツ。
(――枯れた声で咆哮を――)
頭の中に呪文を巡らせる。
(研ぎ澄まされたその爪と牙を
解き放て
風よ
爆ぜろ……ッ)
ヒュッと乾いた音を立て、一陣の風がダガーを吹き飛ばす。一直線に、ウェルツの首へ――
ザシュッ
痛みが不意を突き、反射的に立ち上がって数歩身を引く。
「…貴様っ…」
重量で狙いが僅かに下へ、ダガーは二の腕に突き立っていた。
眼光を飛ばした先のヴィルトからは、反応がない。
「………。」
痛みが、失われつつあった相対的な判断力を呼び起こす。
――目的は果たした。これ以上は、無意味だ。
「…フン」
腕からダガーを引き抜くと、それを片手にヴィルトに歩み寄り、顔を目掛けて振り下ろし――
ガキン!
傍の地に突き立てる。軽く彼の銀の髪を撫で、おもむろに立ち上がると、腕から流れる自らの血を指に絡め取って舐めた。
「…こいつの分は貴様に預けておいてやる――ヴィルト、貴様はやはり理想の獲物に相応しい。精々、無駄な足掻きをするがいい」
微笑みを浮かべたまま踵を返し、背を向ける。
「また、喰いに来てやる」
――SweetDream(いい夢を…)
ウェルツは歩みながら指を鳴らし、使い魔が展開した漆黒の空間の中へ姿を消す。そして、闇は徐々に薄れゆき、やがて消え去った…
残されたヴィルト。
「……は……はは……っ……」
何故か可笑しさが込み上げる。
それは、未だ吸血鬼一人に歯が立たない不甲斐無さへの嘲笑か、ここまでの傷を負うほど意地を張った聞き分けの無さへの憐憫か。
笑うだけで全身が引き裂かれるようだ。悔しさに床を殴ろうにも、腕を上げるどころか拳も作れない。
今はもう、どうでも良い。ただ休みたい。
重力に負けて、目を閉じる。
痛みに翻弄されながら、一つ大きく深呼吸。その吐息に乗せて、
「…………ち、く……しょう…………っ」
消え入りそうな声で、そう呟いた。
【ヴィルトVSウェルツ ~Fine~ 】
================
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06:04
ヴィルト vs ウェルツ 5
▼ヴィルト▼
使えないなら盾にするまで。判断が間違っていたとは思わない。
それでも、損傷が大きすぎた。痛みの出所がもはや解らず、体を起こすこともままならない。
鼓動と共に流れ出る血と体力。
乱暴に髪を掴まれても、ただ気管からゼイゼイ鳴るだけで、喘ぐ声一つ出せなかった。
「…殺されずに、良かったなぁ?」
そんな揶揄も、遠くに聞こえる。貧血故か痛みの為か、視界が霞む。
袖に仕込んだ魔石を取り出す、いくつあるかも解らない。ウェルツに体を預けたまま、唇だけで、紡ぐ。
「……螺旋の、弩……ッ」
ゴォ!!!
ヴィルトから放たれる炎を纏う突風!
火と風の魔石を融合発動。
跳び退り、ダメージを極力減らすウェルツ。
支えを失ったヴィルトは、力無くその場に座り込んだ。
勝負はついた。柄を握った手から力が抜ける。
項垂れたことで、額から頬を伝って血の味が口に広がる。これが、欲しいのか。
焼けるように熱を持つ傷口。頭が割れそうに痛い。
ふと、さっきの言葉を反芻する。
――殺されずに、
誰が?
――良かった。
何が?
力及ばなかったにも拘らず、またオレは、まだオレは生きている。
何も守れず。
「…………」
ズキン、と、何処かが痛んだ。
何を思った自覚は無かった。
けれど、
(……まだ、だ)
せめて、引き分ける。
でなければ、また、まだ、守れないままだ。
▼ウェルツ▼
風の勢いが収まると、ウェルツは顔を伏せたまま首を振る。
「…チッ。やってくれる…」
髪を掻き揚げて視線を上げた時
「――!」
ウェルツは目を見張った。
――まさか、あの傷で…
血溜まりに、ヴィルトは立っていた。
「……。」
ウェルツはただ黙って彼を見据える。
獲物とは己の身を守る為に抵抗を見せる。
己の身を守り切れないと知れば、戦意を喪失させ別の策で身の安全を確保しようとする。
では、限界を超えて尚立ち上がる、この行動が意味する事とは…
――極限の状況で、彼を突き動かしているものとは一体……
思考の果てに、溜息を吐いた。
「…残念だったな、ヴィルト」
この声は、恐らく届いていないだろう。
「…随分と楽しませて貰ったが、結局貴様は俺の期待外れだったようだ」
まぁいい。
「…獲物なら獲物らしく、もっと俺の為に足掻いて貰わんと存分に楽しめんだろうが」
俺の欲求を満たすことを忘れた今のコイツは“獲物”失格だ――そして…
ウェルツはレディアンスを振り上げた。
『 o -開 放 弦-』
…ザワッ…
赤い魔力が立ち昇る。ウェルツの気の高まりに呼応するように、ハープの形状が禍々しい姿へ変化した。
――“獲物”相手には見せる事はない、魔器の真の姿。
ブォンッ!
魔器を横に薙げば、形状がハープから巨大な槍と化す。
ウェルツはそれを右手に携え、対峙する“戦士”に切っ先を向ける。
「…あのまま大人しくしていれば可愛がってやったものを…今の貴様に一体何が出来る…己の無力さを――」
ダンッ、とウェルツは強く地面を踏み締め逆転重力を利用し爆発的なスピードで上空へ跳び上がった。
魔器を振るって大きく上体を捻り…
「――身を以て思い知るがいいっ!!!」
吼えると同時に魔力を叩き込んだ巨大な槍を投擲――最大出力の攻撃を、繰り出した!
『 ◇・SFZ・GRAVE -ハーモニクス・スフォルツァンド・グラーヴェ-』
巨大な槍は空を切り裂き、轟音を響かせながら落下する!
▼ヴィルト▼
「嘘…だろ……」
段違いの余力。対するヴィルトは、刀を携える手の震えをどうにか抑えて、自分の体を支えるのがやっと。
見上げる力なんて無い。しかし、わざわざ直視しなくとも、解る。弾かれた弦から音は波となり、空間を震わせ染めて行く、周囲にウェルツの魔力が浸透する。
諦めた方が、良いのかもしれない。勝てるわけ――
脳裏に過った弱音にかぶりを振り、対処の仕方に頭を切り替える。
断続的な痛みが思考の邪魔をする。
魔力の量が桁違いだ、正面から受けるのは、愚策。
動かなくなった右手から護符を外し、左に付け替える。
採る手段は「回避」。残る魔石は後6つ。4つの結界で衝撃は可能な限り削る。風が1つ。否、護符に吸収される可能性がある、使うだけ無駄だろう。結界破壊も、今は要らない。
予測される効果範囲は……
恐らく今までで一番、考える時間が取れた。自分に余裕が有ったなら、もっと良い策も浮かんだろうが。
この禍々しい魔力の質には、覚えがある。
ここ暫くの穏やかな日々が凪いだ、記憶が、憎悪が、一気に蘇る。
(オレから…奪った、あいつらと同じ――っ!)
エレノアを、大切な人を、魔族が奪った。あの日に全て壊された。傍で、同じ夢を見て生きて行くつもりだった。
あの時失われた道は、今だって見付かっちゃいない。
あの頃の夢が、悪夢に堕ちたまま。
怒りで我を忘れそうになるが、加速した脈拍が痛みに変わって頭を打ち、情動を繋ぎ止めた。
空を仰ぐ。澄んだ青ではなく、澱んだ赤い闇。螺旋を描いて収束し、それが真っ直ぐこちらへ向けられる。
(ハーモニクス、それなら解る)
増幅呪文、やはり、半端な効果では済まないと推測。
手は一つでも多い方が良い、覚束ない足で地面を蹴ると、ハルバードの方向へ走る!
▼ウェルツ▼
ヴィルトが動いた。
――無駄な事を…
眉間に皺を寄せ睨み付ける。
戦士へ贈る敬意と、愚かな獲物への皮肉…二つの相反する感情が瞬く間に錯綜し、苛立ちへと変わっていく。
それは一度手中に収めた獲物を、得体の知れない何かに横取りされる感覚に近い。
苛立ちはやがて強烈な独占欲を生む。
――奪い返してやる。
そう、何者も付け入る隙がない程、思考、感覚、感情、その全てを絶望で塗り潰し、精神の支配権を手にする事で、絶好の獲物へと引き摺り戻す。
この一撃は当たらなくとも良い。
圧倒的な力量の差を脳裏に刻ませ、絶望の種を植え付ける。これこそが真意。
――魔器が地に迫る――
――ゴオオォォォ!!!
地響きと共に爆風が巻き上がり、落下地点の周囲から錐状の突起が空を刺す。
残響で作り出された重力操作の効果が薄れ、ウェルツは次第に高度を下げ…やがて地に下りた。
砂煙の中、ウェルツは軽く髪を掻き揚げる。
「…さぁ…今なら俺に背を向けて逃げれば、見逃してやるかもしれんぞ?ヴィルト」
▼ヴィルト▼
(間に合った――)
納刀し、ハルバードの柄を握る。
体力は尽きかけていても、魔力はまだあった。
傷を内側から引っ掻くような地響きを堪え、
「オレの魔力を喰らえ、アイオーン!」
片腕で持ち上げ、前方へ振り下ろす!
元々衝撃波が付随されている構造、そこへ、それなりの魔力を供給してやれば、突き上がる錐を丸ごと吹き飛ばす程度の威力は出せる筈。直感だった。
ズガガガッ!! ドガァンッ!
見込みは的中、衝撃波は丁度ヴィルトを庇うように、地の波を破砕。手は刃が地面を砕く直前に柄から放した。
「――っ、『紺色の』……!」
四重に展開した楕円が周囲を覆う。その名の通り、深い青色に淡く輝いて。
押し寄せる爆風、炸裂の余波による熱から身を守る。不足分は護符を眼前に掲げ、魔力を吸収させつつ、結界に転換。
しかしそれでも、砕けた断片のいくつかは魔力に乗って結界を貫き、ヴィルトの頬に、脇腹に、新たな裂傷を作った。
直撃は避けたにも関わらずこの威力。
瞬時に刀を抜き、声を頼りに自分を狙う牙を探す。
まだ、終われない。
da capo(冒頭より再演)とまではいかなくとも、dal segno(中途より再演)くらいには。ヴィルトの狙いは、音楽用語で言うところのそれだろう。
放射状の軌跡を辿ったその中心が、レディアンスの、ウェルツの立ち位置!
小細工は要らない、真っ向から突っ込む!
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