プロフィール

野に咲く一輪のタンポポのようにヒッソリ暗躍中!?
じゃ、ランク入りはダメじゃん。
と、今頃気付く大馬鹿者。

徘徊癖がありそこら辺うろつきます、ご注意ください・・・。(気にしないでね~)

投稿画像は『しぃペイントツール』が使用困難のため、市販ソフトを使用中です。

その時気分のイメージ一発屋。
ストレスが限界を超えると、やたらと裸婦に走りますのでご注意ください・・・。

基本、『こらぼ』は全て可にしてます。
ご自由に、いじりまくって下さい。(笑

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2013-09-30 00:28

問題合わせ

アチーブ=テストが終わった。
すると一斉に、教室内がザワメキ立つ。

ダメだっただの、ケアレス・ミスをしただの
千差万別の言葉が飛び交う。

そんな中、K子は問題合わせに余念がない。

すると、俺を見て聞いてきた。

「ねぇ。
 この問題、この答えで合ってる?」

「どれどれ?
 うん、オッケーじゃん。」

「よかった~!
 それで、この応用問題なんだけど・・・。」

「それは、ここが関係代名詞で置き換えられるだろ?」

「ああっ。
 それでこの文節が、一緒になるのね?
 ふ~ん、そうかぁ~。」

なんのかんの、K子は俺に色々聞いてくる。
問題合わせを全体的に見て、7~8割がた大丈夫なようだ。

「げっ!
 それじゃオレ、ダメじゃん!」
Yが、いつの間にやら傍に居た。

周りを見渡すと、クラスの1/3が集まっていた。
みんなそれぞれ、出来具合が気になっているようだ。

集まってきた連中からも、質問が飛び交ってくる。

結局、みんなの質問を受ける羽目になってしまった・・・。

「あなたって、本当に人が良いわね?」
K子が苦笑する。

「そうか?」

「うん。
 ふつう、あなたみたいに教えないわよ?」

「そうかぁ~、ダメだな・・・。」

「なにが?」

「どうも、そんな風に人が悪くなれないよ・・・、俺は。」

「良いじゃない。
 あなたらしくて・・・。」

K子は、微笑んでいた。
全国学力試験、通称アチーブ=テスト。
基本問題から応用問題までを網羅した、業者による第三者テストだ。
結果が出るまで、一週間ほどかかる。

成績結果は偏差値として表記され、
全国で自分の順位が、どれくらいかを知るには丁度良いテストだ。

偏差値を参考として、高校を選択することが出来る。
いよいよ、その試験が始まった。

中間試験と期末試験の合間に行われるので、
いささか厄介なのだが・・・。
教室内は慌ただしいが、気にしない。

基本問題を確実に取れれば、ある程度まで点数は稼げるものだ。
応用問題は慣れである。

「大丈夫かなぁ~。」
K子が不安がっている。
女の勝負がかかっているのだから、なおさらだ・・・。

「心配するなよ・・・。
 基本は、しっかりマスターしたろ?」

「でも、心配なのよ。」

「基本問題だけでも、かなり点数稼げるぞ?」

「そうかなぁ~?」

「ほれっ、落ち着け。
 んじゃ、良い事教えてやるよ・・・。」

「えっ?一体なに?」

「それは、解ける問題から始める事。
 1~2分考えて、解けない問題は飛ばしちゃえ。」

「え~っ!?
 そんなんで良いのぉ~?」

「良いの・・・。
 時間が無いから・・・。
 で、余った時間で考える。」

「そっか。」
K子は、落ち着きを取り戻した。

試験は、波に乗れれば非常に楽に出来る。
一番怖いのは、焦って解ける問題も解けなくなることだ。
そして試験が始まった。

問題に一通り目を通す。
楽そうだ、これなら大丈夫だろう。
2013-09-13 01:28

勉強会

俺は結局、経緯が分からぬまま、K子に各教科を教える羽目になった。

どうやら二人は、成績を競っているらしい事までは理解した。
そしてどうやら、S美からK子への挑戦でもあるようだ。

俺がK子に教える以上、K子がS美に負けるはずがない。

・・・と、思うのだが。

こればかりは、本人の理解力に依存される。
見たところ、頭の回転はK子が上だろう。

まず基本を重点に、それを応用する事にした。

まぁ元々、俺は暗記が大嫌いだ。
暗記量など、少ないに越したことはない。
楽が出来るなら、それが一番良い。

そのやり方を今、K子に教えようとしている。
そして問題への応用は、頭の回転速度と経験に依存される。
果たして、どこまで出来るのか?
俺の経験と知識をK子に全て託すつもりで、臨むしかないだろう。

「それじゃあ、良い?
 恥ずかしがらずに、分かるまで聞いて良いから。
 決して中途半端に、分からないままにしない事。
 良いね?」

「ええ、わかったわ。」
K子は、うなずいた。

そして、二人の勉強会が始まった。

すると、それを見ていたEやY、C子やU子達までもが、
我も我もと参加してくるようになっていた。

客観的に見ていると、大概つまづく処は同じような箇所で、
勘違いや理解不足が、おおかたの原因なのだ。

「これはね?
 こうすれば、解けるのよ。」

いつの間にかK子は、
自分が理解し、教えられるところを教えるようになっていた。

「おおっ!
 すげ~っ!!」

「ああっ、そうなのねぇ!」
YやE、C子にU子が驚嘆の声を上げている。

俺は、それを黙って見ていた。

人に教えられるようになれば、
自分の復習にもなり、自信に繋がるものだ。

良い傾向だ・・・。
これなら、S美に勝てるかも知れない・・・。
2013-09-11 02:08

宣戦布告?

俺は放課後、校庭で空を眺めていた。
初夏を感じさせる、青臭い空気と風。
そして、青く高い空が頭上に広がっている。

非常に気持ちが良い。

これから始めなければならない、文化祭の段取り。
地域商店街への配慮。
様々なことが、頭の中を駆け巡る。

そんな気分転換には、もってこいの天気である。

何気なく、ふと昇降口近くに目を向けると、
K子とS美がこちらを見ながら、二人だけで話しをしていた。

どうして、あの二人が会っているのだろうか?
俺は、いささか疑問を感じた。

この二人が会うのは、
保健室に担ぎ込んだ時と、登校途中の二度だけである。
そして俺の知る限りでは、今回が三度目の筈だ・・・。

K子とS美が、二人だけで会っている・・・。
はて・・・?

いつの間に、二人は仲良くなったのだろうか?

などと、自分に都合よく解釈したいが、嫌な予感がする。
今までの経緯からも、決してコチラの都合よくなど、いく筈が無いのだ。

何事も無ければ良いのだが・・・。
だが、悪い予感ほど的中するものである。

翌日、登校するや否や、K子が俺に迫って来た。

「ねぇ!
 わたし、あの子に負けたくないのっ!
 だから、勉強教えてっ!」

「へっ?
 いったい何?
 いきなり・・・。
 俺に分かる様に、説明してくれる?」

「だから絶対、あの女に負けたくないのよっ!!
 いいからあなたは、わたしに勉強教えなさいっ!!
 いいわねっ!?」

「あ?ああっ・・・。」
K子の迫力に押されて、理由も分からず返答してしまった・・・。

あの女とは、S美の事なのか?
だとすればS美はK子に、何らかの宣戦布告でもしたのだろうか?
2013-09-02 00:08

頭痛の種

俺は頭を抱えながら、職員室からクラスに戻ってきた。

「ただいま~っ。
 あ~、あたま痛て~っ。」

自分の席に着くと、疲れがド~ッと出てきた。
精神的プレッシャーが要因である。

「おかえりなさい。
 どうしたのよ?一体。」
K子が気遣いながら話しかけてくる。

「校長直々に、『文化祭の指揮を取れ。』って言い渡されてさぁ~。」

「凄いじゃない!!
 普段、何もしてないんだから、やれば良いじゃない?」

「俺だって、部活動があるんですけど・・・。」

「あら、そうだった?」

「おまえは、鬼ですか?」

「ともかく、ぼ・や・か・な・い!
 しっかりしなさい!!」

「酷いなぁ~。」

「当たり前でしょ?
 それだけ、期待されてるのよ?
 名誉なことじゃない。

 それに、初めての私たちの文化祭よ?
 楽しみだわ!」

「だって本来、生徒会の仕事だぞ?
 これって・・・。」

「新生生徒会は、今年から発足したばかりでしょ?
 いろいろと、教えてあげなさいよ。
 私も、手伝ってあげるから。

 ほ~らっ!」

「はいはい、わかりました。
 しかし本当に、お前は強い女だな?」

「あら、そう?」

そう、だから背中を任せられるのだ。
2013-09-01 02:14

拝命

翌日、職員室の前でM先輩と待ち合わせることにした。
また、お姉さんの邪魔が入らないとも限らない。

それよりも、K子を心配させたくない。
抱きつかれるのは、もうゴメンだ・・・。

「それじゃ、行ってくる。」

「ねぇ?
 保健室に、寄り道しないでね?」

そう、保健室にはS美本人が居る。
K子はやはり、S美を警戒しているようだ。

「寄り道しないから、心配するな。
 俺を信じろ。」

そうして俺は、職員室へ向かった。
すると、すでにM先輩が待っていた。

「おぅ、来たな?
 それじゃあ、行くか・・・。」

「失礼します。」
二人で職員室に入る。

「設備建設の件、結果報告に来ました。」

教頭先生が出迎えてくれた。

「おおっ、君たちか。
 あれからまだ一週間も経っていないのに、
 もう終わったのかね?」

「はい。
 彼の取り仕切りで、全て終了しました。」
先輩が教頭先生に報告する。

「こちらが、その結果と素案です。」
俺は、持参した資料を教頭先生に差し出す。

「やはり、君たちは早いなぁ~。
 校長も、ご覧ください。」

奥に居た校長先生が、笑顔でやってきた。
やはり、校長先生の采配であったようだ。
教頭から受け取った資料を念入りに目を通している。

「なるほど。
 講堂兼体育館の建設を第一に、続いてプール建設の順ですか・・・。
 分かりました。
 早速、この順序で、市の審議にかけましょう。」

「校長。
 年内中に、体育館施設が完成すると良いですな?」

「そうですねぇ。
 年内中には、間に合わせたいですねぇ。
 校庭での卒業式は、やはり厳しいものがありますからね。

 君たちの卒業式には、是非とも間に合わせたいものです。」

そうだ、昨年の卒業式は、整地されていない校庭で行われた。
確か、風の強い日で、苦労させられたのを覚えている。

とりあえず完成すれば、あらゆる催しが滞りなく行われるであろう。

これで、ひと仕事が終わった。
やっと平穏な学生生活を満喫出来る・・・。
と、思っていたのだが・・・。

校長先生が口を開いた。

「こんなに早くプランが出来上がるとは、予想外だったよ。
 さすが君たちだ。
 どうだろうか?
 地域の方々を含めて、文化祭のプランもお願いできないかな?」

えっ?
これで終わりじゃないんですか?

M先輩が、口を開く。
「私は3年ですので、受験に専念させて頂きたいのですが・・・。」

「そうか、そうだったね。
 それでは、まだ2年の君にやってもらえないかな?」

うっ、校長先生自ら指名されてしまった・・・。
断ろうとした矢先、

「彼なら大丈夫ですよ。
 今回の件も、彼がやったものですから。」

え~~~~っ!?
訳も分からないまま、先輩からも後押しされた。

結果、実行委員長を拝命した・・・。

なんて事だ!
俺の平穏は、どこへ消えた!!

「酷いよ、Mちゃん・・・。
 俺も断ろうと思ってたのに・・・。」

「まぁ、そう言うな。
 俺も、手伝えるところは手伝うからさ・・・。
 いい経験になるぞ?」